はぐくむ

以前もお榊についてご紹介したことがあります。20200518(1)
一ヶ月以上前に求めたお榊は全く枯れることなく、むしろ最初は芽だったところがすくすくと育って美しい色の葉になりました。

「育つ」といえば、小笠原流の古文書に「はごくむ」ということばが記されています。
「はぐくむ」と同じような意味です。
これを「育む」と書くと、「育」という漢字から、「そだてる」という意を想像なさいますか。

しかし、古文書の「はぐくむ」は、相手を大切に思う、という意味で用いられています。
そこで、「はぐくむ」の語源について。
羽+くくむ(含む)がもとで、親鳥がひなを羽で包んで育てる、というところからきているようです。

「人をはごくむべきなり」

と伝書の一説が語っているように、相手のこころを自身のこころで包み、相手との和を育てていく20200518(3)
はぐくむには、このような素敵な意味があるのです。
これからも、お榊が少しでも栄えますよう、はぐくんでまいりたいと思います。

エディブルフラワーとブローチ

20200514(1)友人から冷蔵の贈答品が届きました。
中を開けてみると…
まるで宝石箱を開けたときのような、色とりどりに輝くエディブルフラワー(食用花)が箱一杯に入っていました。

早速、友人に御礼の連絡をすると
「いつもお忙しいので、今はゆっくりお過ごしになっているのではないかと思って…一層楽しい食卓になりますように」
と、優しいおことばまで頂戴いたしました。

日本では古くから菊や菜の花が食卓に並びます。
海外、特にヨーロッパではハーブとして用いられるものを含めて、花を食す文化の歴史は長いようです。

20200514(2)ところで、箱を開けた瞬間に「どこかで見たことのある色合い」と思ったのですが、それは息子が通っていた幼稚園で、母の日に向けて作ってくれたブローチの配色と似ているのです。
20年近く経過した今でも色あせることなく、私の宝石箱に入っています。

素敵な友人からの贈答品を、視覚で、味覚で、さらには第六感のこころで美味しくいただきました。
友情に感謝!

メッセージに込められるこころ

ご連絡を差しあげたいと思いつつ、月日が過ぎ去ってしまうことがあります。
久しぶりにSNSなどを通じて連絡を取り合っている方はいらっしゃいますか。

ここのところ、数年ぶりに友人や知人からのメッセージを頂戴することもあり、感謝の念をできるかぎりお返事に込めたいと思っています。
非礼とは存じつつ、目上の方々にメールやSNSをお送りすることがあるのですが、過日は日頃からお世話になっている方のお返事から多くのことを教えていただきました。
20200514
「わーい。わーい。うれしいです。メールくださるなんてすごく心が踊りました。お変わりないですか。」

このメッセージには、私や家族への労いのおことばなども添えられていたのですが、拝読した瞬間、清福を得た気持ちになりました。
そして、その方の素敵な笑顔が脳裏に浮かんでもまいりました。

敬語を並べるだけでは、相手にこころを伝えることはできません。
自分と相手との関係や距離を考えながら、特にこちらが目上の立場であるときには、カジュアルな表現を交えることが、より相手へのこころを伝えやすいときもあるのではないかと思うのです。

「一遍に凝りかたまるは礼に非ず」

作法の基本を身につけたうえで礼を省略する、すなわち礼の応用の大事さをこれからもお伝えしてまいりたいと存じます。

絨毯

皆様が普段、ご自宅で過ごしていらっしゃるお部屋は絨毯、フローリング、あるいは畳ですか。20200507(1)

少し前になるのですが、絨毯に関する素敵な記事を読むことがありました。
現存する世界最古の絨毯はサンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館蔵のパジリク絨毯、年代が判別できる世界最古の絨毯はロンドンのヴィクトリア・アルバート美術館蔵のアルデビル絨毯ということです。

日本においての絨毯の歴史は、明の時代といわれます。
室町時代の武士は、それまで毛織物の文化が浸透していなかったなかで毛氈の一種を好み、陣羽織に仕立てるなどしていたようですが、絨毯として用いられるようになったのは明治時代以降です。
その頃の絨毯は、現代のように靴を外して家にあがった状態で室内に敷き詰められて用いられるのではなく、床の上に敷くものでした。

床の上に敷くといえば、畳も公家や武家において敷き詰められるようになったのは室町時代からで、それまでは移動式で用いられていました。
一般的に畳が敷き詰められるようになったのは江戸時代からです。
畳が広まることが正座を普及させるひとつのきっかけともいわれています。

20200507(2)話が脱線いたしましたが、私たちの生活様式はこのような変化を経てまいりました。
畳から絨毯になっても、あるいはフローリングであっても、床に直接腰を下ろす場所は清浄を保ち、そこにくつろぎや安らぎを感じる文化はいつまでも失いたくないものです。
この週末は、家の床の隅々まで丁寧にお掃除をしたいと思います。

厄祓いと健康を願う日

明日から5月に入ります。
5月といえば、5日は端午の節供です。

端午の節供については以前にもご紹介していますが、改めて触れてみたいと思います。
現代では鯉のぼり、兜、武者人形を飾るお宅が減っているようですが、他の節供とともに伝承していきたい年中行事のひとつです。
江戸時代に男子の祝いの日となるまでは男女に関わらず大切な行事のひとつでした。
なぜなら、農民にとって大切な田植えをする前の物忌み(穢れを祓って身を清める)の時期でもあったからです。
節供はお祝いするだけでなく、厄を祓い、健康を願う日なのです。

また端午の節供に欠かせない菖蒲ですが、「しょうぶ」から尚武(武勇を大切にすること)の節供ともいわれます。
柏餅を食べるのは、柏の葉は新芽が出るまで古い葉が落ちないため、子孫繁栄に繋がるとされているからです。

20200430さて、特に天候に恵まれると日差しを浴びようと外出したくなるところではありますが、今はSTAY HOME週間。
ご自宅で、写真のように折り紙で兜や菖蒲を折ってみてはいかがでしょうか。
あるいは、菖蒲の花を飾ったり、菖蒲湯に入るだけでも気分転換のきっかけになるのではないかと思います。

皆様におかれましては、5日は菖蒲湯に浸かって厄を祓い、人々の健康を願う日として大切にお過ごしいただけましたら幸甚の至りに存じます。

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