フレンチトースト

出張の折、久しぶりにフレンチトーストをいただきました。
フランスの朝食といえば、バゲットにバターとジャムを塗ったタルティーヌ、あるいはクロワッサンなどとカフェ・オ・レ。
では、フレンチトーストの名称にはなぜフレンチということばが用いられているだろうか、と疑問を抱きました。

中世のヨーロッパにおいては、フレンチトーストと同じような調理法がありましたが、アメリカで酒屋を営んでいたジョーゼフ・フレンチという方が名づけたという説が有力のようです。
ちなみにフランスではパン・ペルデュといわれ、ことばの意味は失われたパン。IMG_6831
つまり硬くなったパンを柔らかくして食べる活用法を表しています。

幼い頃に母がよく作ってくれた朝食の一つにもかかわらず、今まで由来を調べなかったことに反省しつつ、この週末はフレンチトーストを作って、たっぷりメープルシロップをかけてホイップクリームとともにいただきたいと思います。

烏帽子と成人

直門のお稽古のさい、能のご関係の方と烏帽子の話になりました。
ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、烏帽子は、元服した男子が用いたかぶりものの一種です。
この烏帽子の頂の折り方ですが、左折は源氏、右折は平氏、というのが基本。
それについては、たとえば鎌倉中期から後期の軍記物語で平家物語の異本のひとつともいわれる源平盛衰記に「八幡殿は、左烏帽子を著給ひしより、当家代々の大将軍、左折の烏帽子なるに」とあります。

能の「烏帽子折」には、牛若丸が烏帽子を売っているところで「3番の左折」と注文するシーンがあるとのこと。
つまり、烏帽子は1番、2番、3番といくつかのサイズがあって、すぐに注文に応じられるように準備されていることがわかり、興味が深まりました。

IMG_6780さて、この4月から成人の年齢が20歳から18歳に引き下げらました。
成人を迎えても昔のように烏帽子を被り、見た目から成人しているかどうかわかることはありません。
だからこそ、成人としての責任ある行動が取れるように、幼い頃より家庭や学校において心身ともに成長できる躾や対応をこころがけたいものです。

真結びと風呂敷

水引を真結び(本結び、堅結びなどとも呼ばれる)で結べない学生が増えているため、風呂敷を結んで真結びを指導することも多いと門下の方より伺いました。

また風呂敷に関しては贈答品を包むだけでなく、レジ袋の代わりのエコバッグとしても活用でき、旅行のさいに風呂敷ほど便利なものはない、とお話が盛り上がりました。
風呂敷は、衣類を小分けできるのみならず、宿泊先に滞在中は開いたスーツケースやバッグの上にかければ全体を覆い隠して見た目がすっきり、大浴場に行くさいなどは必要なものを一つにまとめられるので持ちやすい、など活用法は多岐に渡っています。

ところが、修学旅行でスーツケースやバッグ内の衣類をまとめるときに風呂敷ではなく、洗濯用ネットを用いる方が増えているとも聞きます。22913931_s
特に汚れ物ならば、そのまま洗濯機に入れることもできて便利なのかもしれません。
あるいは、ネットなので中のものが確認しやすいという利点もあるでしょう。

何かと「便利」が優先されがちな傾向にありますが、「真の便利さとは何か」を考えながら、風呂敷の使い方や活用法をお稽古や授業などでお伝えしてまいりたいと思います。

白酒とライチ

お仕事で中国へ単身赴任なさっていた方々とお会いしたときのことです。
中国での宴席では、紹興酒はほとんど飲む機会がなく、とにかく白酒(パイチュウ)が多かったと伺いました。
白酒は無色透明で世界三大蒸留酒の一つですが、度数が50度ほどあり、香りもかなりきついそうです。

中国ではお酒を飲むのは1人ではなく、誰かを誘って飲むのがマナー。
したがって同じテーブルにいる誰かと目があったら必ず一緒に飲み、さらに「乾杯」と合唱したら飲み干すことが基本。
ただし、飲めないことを最初に伝えておけば無理強いされるわけではなく、「飲む」か「飲まない」かのどちらかがはっきりしているとも教えてくださいました。

お酒から日本人には馴染みがない食材のお料理、さらには果物へと話題が移りました。
1人の方が「ライチがとても好きでよく食べていたが、冷蔵庫に入れても翌日には傷むくらい足がはやい」とおっしゃると、「ライチは何科の果物なのだろう」というお話にもなりました。
そこで帰宅後に調べてみると、ライチはムクロジ科の常緑小高木になる果実で、茘枝と書き、レイシとも呼ばれます。
5158140_s楊貴妃が愛した果物で、中国では夫婦円満や子孫繁栄などに通じる縁起物としても好まれているようです。

日本では、宮崎、鹿児島、沖縄などで栽培され6月から7月頃が旬です。
4月でも日差しの強い日がありますが、ライチはビタミンCや葉酸が豊富で免疫を高め、貧血の予防にもよいとのこと。
夏に向けてライチをいただき、健康的に過ごしたいと思います。

返事

4月上旬は毎年、光英ヴェリタス中学校・高等学校、聖徳大学附属取手聖徳女子中学校・高等学校、聖徳大学附属小学校の入学式に伺い、式後には保護者の方々へお話をさせていただきます。
今年は同時期、午後に企業様からのご依頼で講演やセミナーなど、礼法やマナーについてお伝えする機会を頂戴し、大変充実した日々を過ごしています。
そのような中、特に聖徳大学附属小学校入学式においては1年生の態度から学ぶことが多くありました。

「皆さんはどのようなときに笑顔になりますか」と尋ねると、「嬉しいとき」「楽しいとき」と次々にはっきりと大きな声で答えてくださいました。
中には、手を一生懸命に挙げていたお子様もいらっしゃいます。

「お友達も自分も笑顔で楽しい時間が過ごせるように、相手がされたら嫌なことはしない。お友達には、自分がされたら嬉しいと思うことをいたしましょう。お勉強とともに身体も鍛え、好き嫌いをせずにお食事をいただき、元気に過ごしてください。そのようにできますか」との問いかけにも、まさに傾聴の姿勢で「はい」と元気いっぱいに発言くださいました。
IMG_6697素直なこころから発せられる返事というのは本当に素敵で、式場内が温かい空気で満たされました。

毎年、各校の入学式へお招きにあずかることに感謝するとともに、新入生のご成長とご健勝を心底よりお祈りいたします。

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