今夏の土用の期間は、7月20日から8月7日です。
以前のブログにもご紹介いたしましたが夏の土用の期間中、丑の日には「う」のつくものを食べると夏負けしないといわれています。
うなぎが代表的ですが、うどん、梅干、うりなどでもよいのです。

07292約18日間の土用に入って、すぐに丑の日がある年には、一の丑、二の丑と、丑の日が2回巡ってきます。
今年の丑の日は先週7月27日のみですが、来年は7月21日と8月2日です。

ところで、丑は時間にすると、午前2時、午前2時を挟んだ前後1時間。あるいは午前2時からの2時間です。
丑三つ時は午前2時から2時30分頃ですが、この時間は鬼門から邪気が入るなどともいわれてきました。

07291「草木も眠る丑三つ時」というように、午前2時頃は人も眠りが深く、ゆえに現実と夢の世界が行き交いやすく、不吉なことと結びつけて考えられる場合があるのでしょう。

しかし、牛は縁起のよいものとして扱われています。
小笠原流礼法では紐結びも「こころ」を「かたち」に表す大切なものであり、紐には「丑」の字が柔らかいという意味を含んで用いられています。
また菅原道真と牛の結びつきは深く、牛は神様の使いとされています。
撫牛といって、神社にある牛の像を撫でると病が治る、あるいは横に伏した牛のかたちをした素焼きや木製の置物を撫でて吉事を祈る、ともされてきました。

年中行事を通じて干支に興味を深める機会を持つことも、素敵なこころがけではないかと思います。

ウェルネス

過日、ホテルやレストラン業界の方々へ向けた専門誌の取材を受けました。
大きなテーマはウェルネス。
ウェルネスとは、健康であることを基盤に、豊かで輝く人生を目指すことをいいます。
身体的、精神的、さらには社会的に健康で安心な状態ともいえましょう。

取材中は、小笠原流礼法をウェルネスに活かすとするなら、どのようなことが考えられるかということにも話題が及び、すべてを記すことはできませんが、簡単には次のようにお話いたしました。

IMG_6078もてなす側ともてなされる側、どちらもストレスを抱えずに同じときを過ごすには、こころの交流が重要であり、相手に対する「こころ」をできるかぎり誤解を招くことなく伝えるために作法という「かたち」を身につける。
相手に対する「こころ」は、自己を慎みながら周囲を察することにより生まれる。
さらには状況に応じた的確な判断をもとにした自然かつ美しい「かたち」、すなわち言動によって心地よい空間が作られ、人間関係が円滑になる。

私にとってのウェルネスには、笑顔が欠かせません。
なぜなら笑顔がない生活は、心身ともに健康で豊かな人生と思えないからです。
取材を終え、インタビューをしてくださった方から、「お話を伺うまで、小笠原流礼法とは決まりきったかたちをイメージしていましたが全く異なるものなのですね」といっていただきました。
ひとつの答えにとどまらず、臨機応変であるからこそ、礼法は日々の生活に役立てることができます。
ウェルネスにも礼法を活かしていただけるように努めてまいりたいと思います。

緊張いろいろ

21日土曜日は、小笠原流礼法宗家本部直営教室にてご指導をいたしました。
土曜日のクラスへ向けて、90分のご指導は今回が初めてです。
担当の師範の先生からは「宗家からのご指導は皆様がさぞ緊張なさると思いますが、その緊張も勉強になることと存じます」というメッセージを頂戴しておりました。

IMG_6075教場に入ると、受講生の方々の真剣な表情にも優しさが溢れた笑顔で迎えてくださいました。
自己紹介に続き、大切に思っている伝書または教え歌を一つあげ、なぜその箇所を選んだのかを説明いただいたのですが、皆様が自分のことばで思いを伝えようとする姿が素敵でした。

さて、「緊張」には様々な意味が含まれています。
たとえば、学校の授業で課題を発表しなければならないとき、成功と失敗に関する強い自意識を持ったり、自分の意見が周囲の人からどのように思われるのかと過敏になる。
さらに不安感なども加わって複雑な感情へと結びつき、それを「緊張」と呼びます。

あるいは、教室に通われる方から、緊張感が教室内にあることで日頃のストレス緩和に繋がり心地よいと伺うことがあります。
多大なストレスとなる緊張が重なると健康を害することがあるかもしれませんので避けたいものですが、適度な緊張は自己の成長に欠かすことができないのではないかとも考えられます。

日々、緊張と緩和のバランスを取りながら、周囲にも、自分にも、心地よいと感じる空間づくりをこころがけていきたいと思います。

明るく清々しい連休

201907127-min先週末より講演の機会が続きました。まず12日は、品川女子学院中等部1年生を対象に1時間30分ほど実技を交えてお伝えいたしました。
理事長の漆先生は尊敬する友人のおひとりですが、常に向上心をお持ちの素晴らしいお人柄の方です。
講演前に漆先生から、生徒の皆様は文化祭に向けてあらゆる企業や団体に足を運び、社会で活躍される方々の協力によって起業について学ばれたことを発表なさると伺いました。
それにより将来の展望を持ち、その夢に向かって進路を自分で決める方が多いそうですが、なんと素晴らしいことでしょう。
実際、中学1年生とは思えないほど、皆様の表情が活き活きとした印象で、積極的に参加くださいました。

IMG_603913日は、聖徳学園附属女子中学校・高等学校後援会礼法部へのご指導で、松戸市にある学校へ伺いました。
礼法室では和室での基本的な動作とお茶の出し方などについてご指導した後、会議室に場所を移して鶴の祝い包みを作成いたしました。
2時間ほどのご指導でしたが、皆様が真剣に取り組んでくださったので、格段に所作が美しくなったのではないかと思います。
IMG_6028また毎年、部員のおひとりが礼法室と会議室に活けてくださっている花々のおかげで室内の雰囲気が和らぎます。

同日の夜は友人のお誕生日を祝う会が友人宅で行われ、日頃からお世話になっている方々がお集まりになりました。
IMG_6055恐らく30名ほどの方がいらしたのではないかと思いますが、お料理は何と日本伝統芸能に関わる方がおひとりでイタリアンを作ってくださり感動いたしました。

14日は、都内において東京都観光ボランティアの方々に対する研修があり、前半は私、後半は師範から主にもてなしに関する心得をお伝えいたしました。
昨年も同様のご依頼を頂戴したのですが、今年も何名か同じ方が出席くださったそうで、当日は朝から雨だったのにもかかわらず多くの方が参加されました。
ボランティア活動をなさるさいには、相手の気持ちを察し、行き過ぎることなく、日本文化の根底にある「こころ」を伝えていただきたいという思いでお話を進めましたが、人生の先輩である皆様が真摯な態度で聞いてくださったことが何よりも光栄でございました。

梅雨を忘れてしまうほど、明るく清々しい連休でした。
お世話になった方々、話を聞いてくださった方々、素敵な時間をありがとう存じます。

深いご縁を感じて

昨年のパリ出張の折、オランジェリー美術館に関することをブログでご紹介いたしました。

そしてこのたび、6月26日の企業研修でお世話になった方に、クロード・モネが晩年まで住んでいた邸宅とお庭の見学をするため、ノルマンディー地方のジベルニーへ連れて行っていただきました。
IMG_5809祖母や父がモネの睡蓮が大好きだったこともあり、幼少の頃からジベルニーは憧れの地でしたので、車の中から田園風景が目に入る辺りから気持ちが高揚し始めました。

6月は睡蓮の花だけでなく、ゼラニウムや色とりどりのバラなど数多くの花々が咲き誇っていて、ため息が出るほど美しかったです。
ル・ポン・ジャポネ(日本の橋)と呼ばれる太鼓橋から見る池の風景は、ひとことで表現できないほど豊かで壮観なものでした。

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モネは浮世絵のコレクターでその数231といわれ、邸宅内に飾られていましたが、キッチンやダイニングなどのインテリアはこれらの浮世絵の色使いに合わせてデザインされたそうです。

パリから車で1時間ほどの距離に、日本文化を感じることのできる場所があることを実感できた喜びの後は、前方にお庭が広がる静かなレストランで昼食を頂戴いたしました。

IMG_5829最後のデザートがなんとも可愛らしく、クッキーのかたちと同様に思わず笑顔になりました。

最終日、シャルル・ド・ゴール空港において航空会社のカウンターで搭乗手続きをしているさい、背後から私の名を呼ぶお声が聞こえました。
何とパリでお世話になった方がお知り合いのお見送りで空港にいらしたということでした。しかも、そのお知り合いの方は私も日本でお会いしたことがあり、さらに機内ではお隣のお席でした。
深いご縁を感じ、帰国後すぐにお食事をご一緒したのですが、そのさい「日本人のお先にどうぞの精神は同僚から信頼を得るきっかけとなった」という興味深いお話を拝聴いたしました。
昨今は日本人同士であっても、相手に譲ることが減っているように感じますが、それは大変残念でなりません。

IMG_5802このたびの出張は、自国の文化を見つめ直し、何よりも素敵な国に生まれ育ったことを誇りに思う機会でもありました。
お世話になったすべての方に心底より感謝申しあげます。

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