居心地の良さと清潔感

訪問者は訪問先の玄関や建物の入り口に着く瞬間から様々な印象を受けます。
たとえば、玄関のドアの前に傘が立てかけられていたり、玄関内にたくさんの靴が置かれたままになっていたらどのように感じるでしょう。
一方、豪華な調度品が飾られていなくても、清々とした室内に入ると、それだけで迎えられる喜びを感じるものです。

20191223 ブログ写真1さて、特に今の季節は料理店に行くさい、席に着く前にお手洗いへ行き手を洗う方が少なくないでしょう。
お手洗いの清浄感については以前にも記しましたが、最近改めて思うことがありました。

ご夫婦二人で営まれているある飲食店は、季節の花が玄関、カウンター、お手洗いに飾られ、照明の光の加減も心地よく、清潔感が隅々にまで行き届いています。
お二人の温かく、細やかな心配りが店内に溢れているのです。
清潔感が保たれることによって素敵な雰囲気が作り出され、時間を忘れるほどの居心地のよさに通じる、と強く感じました。

一般的に煤払いは13日ですが、京都の東本願寺、西本願寺など20日に行われるところもあります。
まだお正月に向けての大掃除を済ませていない方は、今週末になさってみてはいかがでしょうか。

さて、明日はクリスマス・イブです。20191223 ブログ写真2
素敵なひとときをお過ごしくださいませ。

かぼちゃ供養

IMG_7101 (002)今年の冬至は12月22日です。
冬至は、過日にブログでご紹介したゆずをお風呂に入れて入るゆず湯のほかに、かぼちゃを食べる風習があります。

かぼちゃを食べると中風にならず無病息災を得られるといわれています。
京都の矢田寺では大和国矢田山金剛寺の別院で回向されたかぼちゃが本堂前に供えられ、おまいりに訪れた人はこのかぼちゃをさすって無病息災を願います。

この矢田寺は、京都出張の折に時々伺う喫茶店の近くにありますが、かぼちゃ供養の行事をなさっていることは最近知りました。

IMG_7102 (002)煤払いも過ぎて大晦日まで2週間を切りましたが、何かと慌ただしい時期だからこそ年中行事を取り入れながら、ゆったりと過ごしたいものです。

お餅に関する心得

過日のブログで東北でのお稽古時、門下の方から様々な風習について教えていただいたと記しましたが、そのひとつとして、お餅は慶事のみならず弔事の席など、あらゆる状況に用いられるとのことです。

東北地方ではお客様へのもてなしとして、小さなお餅にいろいろな具をのせて饗する地域があり、納豆も好んで用いられるます。
ただし、納豆は弔事では避けなければならないとのこと。
納豆の粘りによって、現世の人があの世に引かれて行ってしまう、という言い伝えがあるそうです。

20191216この話を大阪や神戸にお住いの方々がご一緒の席でお伝えしたところ、弔事の席のお餅といえば黄色と白の二段の丸餅を思い浮かべる、と伺いました。
宗派によって供える数、大きさ、色などが異なりますが、お餅は弔事にも欠かすことができません。
また弔問者に渡されるお饅頭、関東では青白(緑白)、関西では黄白と色が異なります。

お祝いごとに関することよりも、悲しみごとに関することは知る機会が少ないと思います。
しかしながら、故人を偲び、ご遺族、弔問者それぞれがこころを通わせるきっかけとして、地域に伝えられてきた弔事に関する心得を無くさないでいただきたいと思えてなりません。

来週も遠方にお住まいの門下の方々とのお稽古がありますので、年末年始を含めた慣習についてお話を伺いながら、有意義な時間を過ごしたいと存じます。

紙幣外包み作成を通じて

何年も前ですが、お世話になっている方から、「慶事に用いることのできる、いくつかの種類の金子包み(祝儀袋)を作って欲しい」とのご依頼を頂戴いたしました。
そして先日は「以前お願いした祝儀袋の中から、こちらの包みと結びで作っていただけませんか」とメールに写真が添付されたものを受け取りました。

20191212ご依頼の包みは、紙幣外包みという折形に金銀の水引をあわび結びで結んだものです。
そこで折形が得意な門下の方にお手伝いをお願いし、30包みほど作成をいたしました。

「色々な折形のなかで最もシンプルな包みを選んでくださったのですね」と門下の方がおっしゃいましたが、シンプルだからこそ端正に仕上げることが求められ、一折一折にこころを込めて作成しているかどうかが一目で判断できます。
折形は若い頃から夢中になり、先代からの指導もあって修練を重ねてまいりましたが、このたびの作成で新たに結び方のコツを発見することができました。
早速、門下の方々へのお稽古時にお伝えすることが楽しみです。

折形だけでなく、他の分野に関しても学びを深めてまいりたいと存じます。

九州、そして東北へ

週末は出張で九州と東北へまいりました。
どちらも寒さが深まっていましたが、いずれの地においても人のこころの温かさに出会うことができました。

九州では、夕食をいただいたお店のご主人が、あるお客様からのご提案に対して「そのような発想は今までなかったです」と迷うことなくその場で二つの食材を用い、ご提案にしたがって調理なさいました。
そのお姿があまりにも素敵で感銘を受けました。
帰り際にご主人と二人でお話できるタイミングがあったので、僭越ながらそのことをお伝えしたところ、「自分たちだけで仕事をしていると世界が狭まる。お客様からご意見を伺う機会は大変ありがたく、すぐに実行してみたくなるのです」と控えめな表情でおっしゃいましたが、そのおことばは私のこころのなかでこだまするように深く刻まれました。

20191209 ブログ写真1また、東北へは東北地方にお住いの門下の方々のお稽古へまいりました。
久しぶりのお稽古でしたが、皆様が常に傾聴を保って話を聞いてくださるので、時間の経過が早く感じられます。
お稽古会場に到着すると、恒例の茶菓のもてなしがありました。
この時期限定の「栗しぼり」と龍泉洞のお水で入れた貴重なお煎茶を頂戴いたしました。
どちらも美味しく、お茶はお代わりを所望いたしました。
栗が好物と覚えていてくださったことも感激でした。
外気の寒さを忘れるくらいに温かなおこころで接してくださる皆様とお会いすることを思い出すだけで安らいだ気持ちになります。

20191209 ブログ写真2東北の風習など興味深いお話を伺いながらのお稽古は私自身の勉強の場でもあり、時間を忘れて、気づけば新幹線発車の約15分前!大急ぎで駅に向かい予定の新幹線に乗車することができしたが、ゆっくりご挨拶ができなかったことが大変申し訳なく存じます。
今週も出張で飛行機や新幹線に乗る予定なので、時間にはゆとりを持って行動したいと思います。

さて7日は二十四節気大雪(たいせつ)でしたが、東北新幹線からは屋根や地面に雪の積もる景色を眺めることができました。
皆様、今週も暖かくしてお過ごしください。

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