ウマミール
日本の代表的な酒類調味料のみりんは、もち米、米麹、醸造アルコール(あるいは焼酎)で仕込んだもろみを40日から60日間かけて糖化・熟成させて圧搾、ろ過して作られます。
甘味のみならず、アミノ酸や有機酸などの成分が複雑にからみあうことで砂糖にはない旨味やコクをみりんは出すことができるのです。
なぜみりんについて語り始めたかというと、銀座を創業地とするある企業がかつて銀座のシンボルツリーであった柳に思いを込めて、フランス語のOsier(柳)から名付けられたフランス料理店へ久しぶりに伺い、みりんを用いた飲み物をいただく機会があったからです。
私は下戸のため、ノンアルコールのペアリングをご用意くださったのですが、鯛のお料理が出る直前には「ウマミール」という名の飲み物がグラスに注がれました。
うまみ成分豊富なみりんと、カモミールティーを合わせたものです。
色は白ワインのようにも見え、甘酒のような香りとすっきりとした味わいで、鯛に添えられたにんじんやごぼうなどのお料理にもピッタリでした(写真左上のにんじんはクロワッサンのかたちをしています)。
その他、グレープフルーツの氷にブラッドオレンジジュースと炭酸水が加えたもの、にんじんを主に使ったもの、さらにコーヒーにクランベリージュースを加えたものはお肉料理と素晴らしい組み合わせでしたが、やはり一番印象に残ったのはウマミールです。
興味をお持ちになった方、ご自宅で本みりんとカモミールティーをあわせて、是非召しあがってみてください。
日本の調味料を普段とは異なる角度から楽しむこともできた素敵な機会に感謝いたします。