新茶と抹茶

26522657_s茶といえば、4月から5月頃が旬と思っている方が多いのではないでしょうか。
煎茶はその通りなのですが、抹茶は異なります。
なぜなら煎茶と抹茶、もとの茶葉は同じでも製造工程が違うのです。

まず、抹茶を作るには摘む3週間から4週間程度前になると、4月のうちに被覆と呼ばれる、新芽に覆いをかけて直射日光を避けます。
これにより、旨味や香りを葉に閉じ込め、渋みが抑えられるのです。
摘んだ茶葉は、そのままにしておくと発酵してしまうためにすぐに蒸します。
蒸した茶葉は揉まずに乾燥させます。
これを荒茶と呼びます。
その後、茎や葉脈などを取り除くと仕上碾茶が完成します。
このような過程を経たものを粉末状にすると抹茶ができるわけです。

さて、茶道ではお茶の正月とも呼ばれる「口切の茶事」が陰暦10月(現在の11月)に行われます。
初夏八十八夜の頃に摘み取った茶の新芽を茶壺に入れて口を封じ、夏場は涼しい場所で保管します(こうすることで旨みが増す)。
口切とは茶壺の口封を開封する儀式ですが、茶壷から取り出された茶葉は茶臼で挽いて使い始めます。
夏を越して秋を迎える前に抹茶として販売されるものもあるため、全てではないのですが、こうしたことから、抹茶の旬は春ではなく11月頃の秋ともいえます。
このような季節に応じた儀式を知ることで、さらにお茶を楽しむきっかけが広がるのではないかとも思います。

スクリーンショット 2023-05-16 14.08.39ところで、幼い頃から抹茶を飲むことが好きなのですが、抹茶を用いたお菓子にも目がありません。
免疫力をアップし、老化防止やコレステロール低下の作用もあるお茶をこれからも積極的にいただきたいと思います。

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