人に式代のこと
こ(5)と(10)ば(8)の語呂合わせで、5月18日はことばの日。
そこで、先ほど読んでいた小笠原流礼法の古文書に記されている「式代」について、触れたいと思います。
「式代」ということば、お聞きになったことはありますか。
「式」とは、ある定まったやり方やかたちを意味します。
「体」とは、からだやかたちを意味します。
「式代」とも書きますが、代にはかわりになるもの、あるいはもとという意味もあります。
式代の意味は、頭を下げて挨拶すること、会釈です。
室町時代の小笠原流礼法の伝書にも「式代」が用いられています。
たとえば、
人に式代のこと さのみ繁きは返りて狼藉なり
という教えがあります。
相手に挨拶をするさいはむやみに何度もお辞儀をすることはかえって失礼な行為である、ということです。
改めて意識をしてみると、「うっかり何度もお辞儀をしている」ということに気づく方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ことばの日、から挨拶の話題に逸れてしまいましたが、是非今日から「さのみ繁きは返りて狼藉なり」をこころに留めてお辞儀をなさってみてください。