つま先
友人があるテレビ番組を観たさい、その友人や私も愛用している、某スニーカーブランドの社長の方が次のことをおっしゃっていたそうです。
アメリカでは、私のつま先を踏まないで(Don’t step on my toes)ということがある。(つま先を踏むほど距離感が近すぎるということから「余計なことをいわないで」「邪魔をしないで」などという意味)
しかし日本では、遠慮がちで距離感が遠くなってしまうので、社内ではあえて「お互いのつま先を踏みましょう」とお伝えになっているとのことです。
確かに、こころの距離が遠ざかると、本質に触れられないためにコミュニケーションに支障をきたすだけでなく、良い結果をもたらさない可能性があります。
過去のブログでも距離感に関することを記しましたが、同じ人に対しても、距離を縮めたほうがよい時と、少し離れたほうがよい時があり、互いのおかれた立場やその日の気分の違いなどで、常に同じ距離感が好ましいともかぎりません。
つま先といえば、「toe the line」という表現は、規則に従う、という意味で用いられます。
礼法にも基本的な規則がありますが、その根底にはこころが存在し、応用であることが重要です。
他者の思いを察しながら、慎みの気持ちも忘れずに、周囲の方々との融通性のある距離感をこころがけてまいりたいと思います。