続けることこそ
新型コロナウィルス感染拡大の影響により延期されていた、仲道郁代さんの令和3年度文化庁芸術祭大賞・令和3年度文化庁長官表彰祝賀会に出席させていただきました。
仲道さんは、ピアニストとして活躍なさるだけでなく、後進の育成にも努められ、2012年からは東日本大震災で被災した宮城県七ヶ浜町の復興支援事業として小学生を対象に音楽アウトリーチを続けていらっしゃいます。
仲道さんの素晴らしいピアノ演奏で祝賀会は始まり、何人かの方々によるご祝辞はいずれも温かく、楽しく、思わず会場全体が笑顔になるようなお話ばかりでした。
例えばある方が「仲道さんの音色からはこころが感じられる」とおっしゃると、皆様が深く頷いていらっしゃいました。
またある方は「何もしないで才能など存在しません。
日頃よりお世話になっている方々とお会いでき、さらには同じテーブルの方々との新たなご縁をいただくなど、感謝するばかりです。
仲道さんの優しいお人柄が細部にまで感じられる、本当に素敵な祝賀会でした。
頂戴した記念品は「Arietta」という名のワイン。
ベートーヴェンの最後のソナタ、第32番作品111の第2楽章「Arietta. Adagio motto simplicity e cantabile」からインスピレーションを得て作られたワインです。
仲道さんがこのワインに出会ったのは、10代の頃に留学なさっていたアメリカのミシガン州へ2018年の夏にいらした時とのことです。
2018年の春から「The Road to 2027」という、ベートーヴェン没後200年とご自身の演奏活動40周年が重なる2027年に向けて、10年にも及ぶリサイタル・シリーズに取り組まれていらっしゃいます。
まさに「Arietta」の世界こそ、仲道さんがこのリサイタル・シリーズでベートーヴェンと共に歩んでいる旅路の目指すところを象徴している、ともワインに添えられた書状に記されていました。
仲道さん、ますますのご活躍を心底よりお祈りいたします。