母のお辞儀

向田邦子さんの「お辞儀」というタイトルのエッセイがあるのですが、その中で、次の文章がこころに深く残っています。

親のお辞儀を見るのは複雑なものである。
面映ゆいというか、当惑するというか、おかしく、かなしく、そして少しばかり腹立たしい。
自分が育て上げたものに頭を下げるということは、つまり人が老いるということは避けがたいことだと判っていても、子供としてはなんとも切ないものがあるのだ。

親になってみると、こどもへの無償の愛がわかるからこそ、自身の親を大切にしなければとこころではわかっていても、それこそ面映ゆくて素直に表現できないことがあります。

先日、私は仕事の打ち合わせがあり、出先から母と別々の場所に移動するときのことです。
「駅まで距離があるから気をつけてね」と手を振りながら軽くお辞儀をして、私を見送ってくれました。
そのとき、ふと、このお辞儀のエッセイが頭に浮かんだのです。10.7

幼い頃から親友のように仲良くしている母ですが、4日のブログにも記した長幼の序を大切にし、親を敬う気持ちを忘れずに過ごしてまいりたいと思います。

 

 

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