同日に

いくつかの大学が近くにあるカフェでコーヒーを飲んでいたときのことです。
隣には、何冊かの本を開いて勉強している医大生が2人座っていました。
耳をそばだてて無理に話を聞くつもりはなかったのですが、2人の心地よい会話が聞こえてきました。

「本当に良い医者って、どんな医者だと思う?」
「勉強ができるだけではダメだと思う。僕の場合、親が医者。だから医者にならなくてはならない、っていう考えもよくないよね」
「やっぱり患者さんの話を聞くことができるってことかな?」
「そうだね。大事だよね」
と話すと、お二人とも自然に会話をやめて勉強を再開していらっしゃいました。

その後、打ち合わせに行くために地下鉄に乗って移動したのですが、車内でこころ温まる高校生の行動を拝見いたしました。
70代くらいとお見受けする身だしなみを美しく整えていらっしゃる女性が乗っていらした瞬間に、その学生の方は荷物を持ってサッと立ち、軽く右手で促すように席をお譲りになったのです。

同日に2回も素敵な会話や光景に触れたおかげで、穏やかな気持ちで一日を過ごすことができました。
彼らがこの先も他者への思いやりを育み続けられるような社会を私たち大人が作っていかなくては、と心底から思う機会でもありました。10.11

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