月と兎

幼い頃は母と家のベランダから月を眺めては「今日もうさぎさんがお餅つきをしている」と話していました。
「なぜうさぎさんはお月さまにいくことができたのかしら」「なぜお餅つきをしているのかしら」とも思ったものです。

月は白兎、玉兎、月の兎、月宮殿、月の桂、金兎、桂月、などと様々な異名を持ちます。
屈原の楚辞の天問には、次のように記されています。moon_rabbit_illust_1160

夜光何徳  《夜光何の德ぞ》
死則又育  《死すれば則ち又育(いく)す》
厥利維何  《厥(そ)の利維(こ)れ何ぞ》
而顧菟在腹 《而して顧菟(こと)腹に在り》

月には何の徳があるのだろうか。
欠けると思えばまた満ちる。
どのような利があって腹に兎を住まわせているのだろうか。

月に兎が住んでいるという話は、世界中にあるといいます。
そのもとは、インド、または中国とも聞きますが、この天問にある「顧菟」とは、兎ではなく蟾蜍という説もあります。
その説の詳細は割愛いたしますが、いずれにせよ、月の兎に想いを馳せる情緒は素敵なことではないでしょうか。

今日は、旧暦8月15日の十五夜。
月の中に兎、蟾蜍、あるいは別の生き物を見つけますか。
それとも、まんまるお月様のみを眺めますか。
神秘的な月を、皆様のおこころで愛でる一夜になさってはいかがでしょう。

このページの先頭へ