修行期間

0415少し前のことですが、友人があるお店で、あるお祝いをしてくださったときのことです。
店内は他にお客様がいらっしゃらなかったので、お店のご主人と様々な会話をすることができました。

ご主人に「こちらは、食事をする空間ではBGMの音量を小さめに、化粧室では少し大きめになさっている。室温調整にもかなり気を遣ってくださっていますよね」と友人が話しかけました。
カウンター内とお客様の席の室温は少々異なるため、常にそれぞれのお客様の表情、しぐさ、会話等から調整なさっているということでした。

また、見習いの方には、あえてまかないをカウンター席で食べることで各席から見える風景を理解させるとのこと。
たとえば、左側の席からはカウンター内にいる人の足元がよく見えるので、足を揃えて立つことの大切さを、身をもって感じ取ってほしいとおっしゃっていました。

どの仕事に就いても、修行期間に学ぶことは、その人自身のかけがえのない財産になるのではないでしょうか。
昨今は、その過程を省いてしまう人が増えている傾向にあることを残念に思うのは、私が年齢を重ねたからでしょうか。

友人はお店を出る少し前に、見習いの方に静かな口調で「頑張ってね」と、こころづけをお渡しになりました。
素敵な空間は、お店の方とお客様の波長が合い、こころの交流があるからこそ生まれることを教えていただいた素晴らしい機会に感謝いたします。

新入生を迎えて

04124月9日から11日までの三日間、聖徳大学附属の小学校、中学校・高等学校の入学式に伺いました。
毎年、新入生の方々にお会いできることを楽しみにしていますが、特に今年はその思いが一層高まっていました。
なぜなら、聖徳大学附属女子中学校・高等学校はこの4月より「光英VERITAS中学校・高等学校」へと校名が変わり、男女共学となったからです。
光英には英知にあふれ光り輝く、VERITASには真理を探究するという意味が込められているそうです。
入学式では、緞帳が上がるとリニューアルした制服をまとった新入生の凛々しく、清々しいお姿が目に飛び込んでまいりました。

0412(2)また、光英VERITAS中学校・高等学校と聖徳大学附属取手聖徳女子中学校・高等学校では、入学式後に講演をさせていただきました。
最後まで積極的に話を聞いてくださる保護者の方が多く、至極光栄でございました。

聖徳大学附属小学校では、素直な表情で先生方のお話に耳を傾ける一年生が可愛らしくて会場内もあたたかな空気が流れていました。

聖徳の建学の精神である「和」が礼法を通じてさらに強固なものとなり、学校全体、さらにはご家庭においても素敵な「和」を育んでいただけますよう、礼法講師一同、こころを込めてご指導してまいりたく存じます。

感想文

過日、練馬区立春日小学校3年生の方々に向けて、師範の方より礼法の授業を行っていただきました。
そのときの感想文を送っていただいたものを私も拝読することができました。
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・教えてもらったようにあいさつをしています。
・基本のしせいを教えてくださってありがとうございます。
・とてもきんちょうしましたが、やって楽しいなとも思いました。
・家で練習したら母に「上手」といわれて嬉しかったです。
・つぎの3年生にも教えてほしいです。

全てをご紹介できずに残念ですが、このように、各自が感じたことを直筆で寄せてくださったことで、ひとりひとりのお顔が目に浮かぶようでした。
中には、おうえんしています、また会いたいです、ということばが記されていて、私まで励ましていただいた気持ちにもなり、幸せな思いから涙が溢れました。

素敵な感想文を書いてくださった春日小学校の生徒の皆様ならびにお世話になった方々、小笠原流礼法のこころとかたちを届けてくださった師範の方に、深く感謝いたします。

今年は4月からの新学期に桜を愛でることはできませんが、全国の学生の皆様が充実した日々をお過ごしになりますようお祈りしています。

かんぬき

ブログ写真 0401お鮨やさんで、さよりをいただくことがありました。
「さよりです。が、少し大きめなので、かんぬきと呼びます」と教えてくださいました。
「門や戸を閉めるときの棒である閂と同じくらいの大きさゆえに、そう呼ぶそうです」とも説明してくださり、市場に行くとこうした魚にまつわる話を教えていただけることが大切と語っていらっしゃいました。

漁師さんたちは命がけで魚を釣り、ほかにも多くの人の労力があって食材が揃うと思うと、少しも無駄にはできない。
というおことばから、礼法でも度々お伝えする「来所(来処)」、すなわち、目の前に食事が運ばれてくるひとつひとつの過程に感謝できることで味わいがより深まるとも感じました。

食材の命に始まり調理する方に至るまで、さらにはお食事をともにできる方々がいてくださること、それらすべてをありがたく思います。
少しでも、どなたかのお役に立てますように、今日も一日を大切に過ごしてまいります。

さて、今日から4月。
新たな生活が始まる方もいらっしゃるかと存じますが、寒暖差などで体調を崩さないように気をつけて過ごしてまいりましょう。

ある日の夕べ

昨年から新型コロナウィルス感染拡大により、一年以上コンサートに行くことがありませんでした。
CDや動画配信ではなく、そろそろ生演奏を聴きたいと思っていたところ、「戸室玄さんのサロンコンサートに夕方からご一緒しませんか」と友人からご連絡をいただきました。
30名の少人数制、風通しのよい場所で行われるとも伺い、久しぶりに友人にもお会いしたかったので、「喜んで伺います」とお返事を差しあげました。
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当日、まずグリーグの抒情小曲集から4曲が演奏されました。
4曲目「森の静けさ」が始まると、絶妙なタイミングでガラス戸の外から聞こえてくる鳥のさえずりがピアノの音色にのり、目の前にノルウェーの素敵な森の景色が広がっていくようでした。

次に、戸室さんが
「ベートーヴェンと聞くと、ドイツ音楽の勇ましさや重さをイメージなさるかもしれませんが、実ははフランス音楽に多大な影響を受けています。フランスから一台のピアノがベートーヴェンのもとに贈られたのです」
などと説明をしてくださった後、「今日はフランス音楽風に」と演奏されたピアノ・ソナタ第21番作品53ハ長調「ヴァルトシュタイン」も素晴らしかったです。
さらに、演奏者の表情や指の動きを間近に拝見できたことで、曲目に込められた思いを理解するきっかけをいただいたように感じました。

生演奏にはミラーニューロン効果(生演奏を聴く場合は自分が演奏しているような気持ちになる)があるといわれますが、時折、コンサートに出かけて脳を活性化し、心身を整えたいと思います。

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