とびばこ

このたびの台風によりお亡くなりになった方々、ご遺族の方々におかれましては衷心よりお悔やみ申しあげます。
また、被害に遭われた方々におかれましてはこころよりお見舞い申しあげますとともに、被災地の一日も早い復旧と復興をお祈りいたします。

小学校の体育の時間で印象深いものといえば、とびばこです。
とびばこを思い出すと自然に、通っていた学校の体育館の景色が目の前に広がるような気持ちがいたします。
4段から5段、5段から6段と1段ずつ重ねられていくことが嬉しくて、とびばこの授業がある日は帰宅後に開口一番、母に報告したものです。20191017 ブログ写真1
おとなになってから、とびばこを目にすることも飛ぶこともありませんが、過日「パンが好きと伺ったので…」と友人から頂戴したおみやげの品から、とびばこに関する記憶を蘇らせる機会がありました。

いただいた袋のなかには赤色の可愛らしい箱が入っていました。
さらに箱を開けると、とびばこのかたちをした食パンが登場したのですが、箱とともに小さなとびばこの菓子パンも同包されていました。20191017 ブログ写真2
パンを切り分けることを少々ためらってしまったほど、なんとかわいらしいパンでしょう。

懐古主義ではありませんが、スマートフォンやインターネットがなかった頃、友人たちと休み時間やお昼休みに、とびばこのほかにもテニス、卓球、バスケットボールなどで身体を動かしていたことは懐かしく、よい思い出です。
とびばこは注意しないと事故に直結する危険性がありますが、無理をしない範囲で、こどもの達成感やさらに能力を高めるきっかけになるものではないかと思います。

昨今は気候の問題などから秋ではなく、春に運動会を行うところが増えているようですが、爽やかな季節は積極的に運動をし、心身のバランスを整えてみてはいかがでしょうか。

先輩から学ぶ人生の楽しみ方

20191009 ブログ写真過日は7月に続いて東京都観光ボランティアの方々に「日本の真のもてなしを学ぶ」というテーマでお話をいたしました。
人生の先輩方が多くいらしたのですが、全体の雰囲気が和やかで、しかも積極的にこころを傾けて話を聞いてくださいました。
皆様の表情から、特にそれぞれの作法に関する理由や日本人が清浄感を重んじることについて関心を持ってくださったように感じました。
たくさんの笑顔を頂戴いたしましたことにも感謝しております。
皆様にもっともお伝えしたかったことは、自分の存在をアピールすることなく、しかしながら相手へのこころは積極的に働かせ続ける、ということです。

慎みは、積極的なこころの働きかけなくして存在いたしません。
最近ですが、久しぶりに知人とお会いしたさい、そのことを実感する機会がありました。
その方は、私よりもパソコンやスマートフォンを使いこなし、装いにも流行を上手に取り入れていらっしゃいます。
年齢を重ねても常に好奇心旺盛で、新しいことを取り入れることで今まで以上にいきいきとお過ごしになっている様子なのです。
恐らく、その方は人一倍、素直なこころを持っているからこそ、新しいことを取り入れるゆとりが心身ともに備わっていらっしゃるのではないかと拝察いたします。
年齢や立場を超えて、誰に対しても教えを乞うことに抵抗がなく、慎みのこころで相手のことばに耳を傾ける。
何と素晴らしいことでしょう。

素敵な人生の先輩方のように、ものごとを決めつけて視野を狭めてしまうのではなく、柔軟なこころで過ごしてまいりたいと思います。

こころを尽くす指導者

昨日、一昨日は、パーティーや懇親会などで多くの方々とお目にかかり、貴重なお話やご祝辞などを拝聴する機会が重なりました。

ある大学では、教授のお話を伺いました。
その大学では、卒業試験、さらにはもうひとつの目標に向かって最終学年からは約10人で班が構成され、班ごとに与えられた部屋で勉強をするそうです。
その勉強部屋と呼ばれるお部屋を少しだけ拝見しましたが、生徒さんたちが互いに笑顔で接しながら、真剣に学ぶ姿にこころを揺さぶらました。20191007 ブログ写真1

耐雪梅花麗(雪に耐えて梅花麗し)。
生徒たちは残された日々、努力を怠ることなく今を耐えれば、その先には麗しい花を咲かせることができる。
教授がお話の後半でこのように語られたことが印象的でした。

また昨日は、お世話になっている方があるお稽古ごとの教室を開いてから40年を祝う会に出席いたしました。
1期生は先生の同級生の方々で、現在一番お若い生徒さんは高校3年生ということです。
20年以上お教室に通っている方のお祝いのスピーチでは、家庭でもなく、仕事場でもなく、皆さんと過ごすお教室での第三の環境は、ここちよいものだからこそ今まで続けることができた、とおっしゃっていました。
帰りのエレベーターの中では、先生の同級生の方々が「先生は学生の頃から控えめでいつも変わらない優しいお人柄。今日を機に改めて尊敬の念を抱いた」と口々に話していらっしゃいました。
20191007 ブログ写真3
教わる内容の素晴らしさとともに、学びの場に集まる人々がともにこころを寄せ合い、安らぎを感じることによって、その縁が末永く続く。
それには、誰に対しても穏やかで、皆様の幸せを願ってこころを尽くす素敵な指導者の存在が不可欠であることを実感いたしました。

さて過日、1名の師範の方が総師範証を取得なさいました。
その方の親先生には深く感謝するとともに、今後ますます受講者が自然とこころを寄せ合うなかで指導をなさることを願っております。

本日は夕方に講演の予定がございますが、この2日間、皆様に教えていただいたことをこころがけながら、礼法をお伝えしてまいりたいと思います。

礼譲

昨日、都内にある中高一貫校の攻玉社中学校においてお話をする機会がありました。
校長先生より丁寧なお手紙を頂戴し、昨年12月に中学校2年生に向けて講演の依頼をいただいたことがきっかけです。
本年は中学校1年生が対象でしたが、昨年のブログに記しましたように、男子校での講演はこちらの学校のみで、そのようなことからも多くのことを学びました。20191003 ブログ写真

講演の冒頭、生徒の皆様は努力を重ねて今年4月、攻玉社中学校に進学なさいましたが、それを誇りとしてこころにゆとりを持ち、さらに勉学に励みながら周囲への思いやりを忘れないでいただきたいとお伝えいたしました。

パンフレット等で学校の校訓を拝見したところ、まず目に飛び込んできたのは「礼譲」です。
礼譲とは、「礼儀」と「謙譲」。
50分という限られた時間でしたが、講演のまとめとして、慎みを忘れずに相手に対する敬意や感謝を自身の行動で表すことによって人間関係が円滑に育まれる、という礼法の根本に欠かすことのできないこころがけを校訓になぞらえてお話いたしました。

講演は一時限目でしたが、全体的に、積極的に聞いてくださる姿勢が素敵で、嬉しいかぎりでした。
講演後、校門に向かう途中に行き合う高校生は、きちんと立ち止まって丁寧に挨拶をしてくださったことも印象的でした。
お世話になった先生方に深く感謝申しあげます。

また、夕方は本部教室において師範の方々への講義がございましたが、全員が自分のことばでお正月に関することを発表してくださり、あたたかな空間でここちよい時間を過ごすことができました。

10月に入りましたが、台風による自然災害や気温の変化などで体調を崩されませんよう、皆様お身体を大切にお過ごしください。

目標と目的

先月に続き、昨日は実働師範講習会を二部制で行いました。
一部は総師範の方々も多かったのですが、日頃は当たり前のこととして指導いただいている内容について、統一と確認をはかることを目標としてお伝えいたしました。20190930 ブログ写真1

目標といえば、目標と目的は異なります。
目標は目的を達成するために設けるものです。
目的は何かを実現したい、あるいは到達したいと目指すものです。
つまり、目的に向かっていく経過地点が目標です。
この目標と目的を礼法について考えるとすると、「互いに心地よく幸せなときを過ごす」という目的があります。
そのために相手に対するこころをかたちに表現する、すなわち作法という目標をひとつでも多く身につけることが目的へと繋がります。
ここでいう目的は最終地点なのではなく、小さな目的が集まると大きな和となり、社会全体が互いを慮ることによってあたたかな空間が生まれ、誰もが幸せを胸に抱く可能性を高めることができる、というさらなる先の目的に繋がるのではないかと思います。
私一人のみでは実現できなくても、礼法を学ぶ仲間たちの協力により、この目的に近づくことができると信じています。20190930 ブログ写真2

実働師範の方々から門下の方々へ、さらには礼法を学んでいない方々へ、こころをかたちにのせて伝えていただくことを心底から願っております。
目標を共有し、同じ目的に向かうことができる素敵な仲間たちに感謝するばかりです。

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