紙幣外包み作成を通じて

何年も前ですが、お世話になっている方から、「慶事に用いることのできる、いくつかの種類の金子包み(祝儀袋)を作って欲しい」とのご依頼を頂戴いたしました。
そして先日は「以前お願いした祝儀袋の中から、こちらの包みと結びで作っていただけませんか」とメールに写真が添付されたものを受け取りました。

20191212ご依頼の包みは、紙幣外包みという折形に金銀の水引をあわび結びで結んだものです。
そこで折形が得意な門下の方にお手伝いをお願いし、30包みほど作成をいたしました。

「色々な折形のなかで最もシンプルな包みを選んでくださったのですね」と門下の方がおっしゃいましたが、シンプルだからこそ端正に仕上げることが求められ、一折一折にこころを込めて作成しているかどうかが一目で判断できます。
折形は若い頃から夢中になり、先代からの指導もあって修練を重ねてまいりましたが、このたびの作成で新たに結び方のコツを発見することができました。
早速、門下の方々へのお稽古時にお伝えすることが楽しみです。

折形だけでなく、他の分野に関しても学びを深めてまいりたいと存じます。

九州、そして東北へ

週末は出張で九州と東北へまいりました。
どちらも寒さが深まっていましたが、いずれの地においても人のこころの温かさに出会うことができました。

九州では、夕食をいただいたお店のご主人が、あるお客様からのご提案に対して「そのような発想は今までなかったです」と迷うことなくその場で二つの食材を用い、ご提案にしたがって調理なさいました。
そのお姿があまりにも素敵で感銘を受けました。
帰り際にご主人と二人でお話できるタイミングがあったので、僭越ながらそのことをお伝えしたところ、「自分たちだけで仕事をしていると世界が狭まる。お客様からご意見を伺う機会は大変ありがたく、すぐに実行してみたくなるのです」と控えめな表情でおっしゃいましたが、そのおことばは私のこころのなかでこだまするように深く刻まれました。

20191209 ブログ写真1また、東北へは東北地方にお住いの門下の方々のお稽古へまいりました。
久しぶりのお稽古でしたが、皆様が常に傾聴を保って話を聞いてくださるので、時間の経過が早く感じられます。
お稽古会場に到着すると、恒例の茶菓のもてなしがありました。
この時期限定の「栗しぼり」と龍泉洞のお水で入れた貴重なお煎茶を頂戴いたしました。
どちらも美味しく、お茶はお代わりを所望いたしました。
栗が好物と覚えていてくださったことも感激でした。
外気の寒さを忘れるくらいに温かなおこころで接してくださる皆様とお会いすることを思い出すだけで安らいだ気持ちになります。

20191209 ブログ写真2東北の風習など興味深いお話を伺いながらのお稽古は私自身の勉強の場でもあり、時間を忘れて、気づけば新幹線発車の約15分前!大急ぎで駅に向かい予定の新幹線に乗車することができしたが、ゆっくりご挨拶ができなかったことが大変申し訳なく存じます。
今週も出張で飛行機や新幹線に乗る予定なので、時間にはゆとりを持って行動したいと思います。

さて7日は二十四節気大雪(たいせつ)でしたが、東北新幹線からは屋根や地面に雪の積もる景色を眺めることができました。
皆様、今週も暖かくしてお過ごしください。

サンドイッチかカレーライス

先日、お世話になっている方とお目にかかったさいのことです。

「先代と霞会館(旧華族の親睦団体)でお会いするときは、サンドイッチかカレーライスをいただきました。しかも、先代がカレーライスを注文するとおっしゃるので私たちも同じものを注文すると、突然にサンドイッチに変更なさる。あるいは先代が最初はサンドイッチを選ばれるときにはカレーライスに変更なさるというように、全員が同じものをいただくことは一度もなかったのです」と伺いました。

そのお話を受けて瞬時に「食事の作法も指導する小笠原流の宗家と食事をすることは、人によってこころの負担に繋がる可能性がある。だから、なるべくお箸を用いることのないレストランを選ぶ配慮も大切なのだ」と先代が話してくれたことを思い出しました。
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まずはサンドイッチ、カレーライス、いずれも細かな作法が必要のないものを選択し、さらに相手と異なるものを選ぶことで、より作法を気にせずに召し上がっていただきたいというこころ遣いがあったのではないでしょうか。

20191205 ブログ写真2サンドイッチといえば、最近、サンドイッチのおみやげを頂戴する機会が何度かありましたが冷めても美味しく手軽にいただけますし、周囲の人とも分け合うことができるところも魅力的で素敵なおみやげです。
年末に向けて、持ち寄りのパーティーなどがあるさいには、サンドイッチを持参したいと思います。

お稽古と社中展

土曜日は直門のお稽古後、お世話になっている書道家の先生が主宰する社中の方々の展覧会へ伺いました。
先生はいかなることがあっても常に明るく、前向きに過ごしていらっしゃる素晴らしい方です。
会場でお目にかかった生徒の皆様も優しく朗らかで、終始笑ってばかりでした。

日曜日は小笠原伯爵邸にて行っている聖徳会の教室へご挨拶に行き、午後は直門のお稽古にて門下の方々と有意義なひとときを過ごすことができました。
この日の聖徳会の教室は、大学生と社会人の方々が通っていらっしゃいます。
おひとりずつ、教室で学んだことのなかから年末年始に実践したいと思うことを発表いただきました。
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鶴のお年玉包みを作成して周囲の方に差し上げたい。
お屠蘇をつくって飲みたい。
職場、自宅ともにお掃除をして清浄感を保ちたい。
三方を購入したのでお正月飾りを作って飾りたい。
職場でこどもたちに日本の年中行事を伝えたい。

このたびの教室訪問で、若い世代の方々が学んだことを日常生活に積極的に取り入れようとするこころを感じ、それが何よりも素敵であると思いました。
皆様とともに笑うことの多かった土日でしたが、そのおかげで元気に師走の一ヶ月間を過ごすことができそうです。

祝い菓子にのせて

過日、門下の方々とお打ち合わせをすることがありました。
その際、用意くださったお菓子があまりにも可愛らしくて美味しいお味だったのですが、お菓子に込められた意味を知り、感激が増しました。

IMG_6926世界各国の“お祝いのお菓子”を専門に取り扱っていらっしゃるお店のケーキや焼き菓子をいただいたのですが、写真の市松模様のケーキはイギリス伝統菓子のバッテンバーグケーキです。
また箱に入っているのは、様々な国のお祝いの焼き菓子です。
中世ヨーロッパから伝わる伝統の焼菓子は、神様への賛美、王族の婚礼や貴族の饗宴で用いられたほか、祭事に供されたことが起源となって伝えられるものも多くあり、現代へと受け継がれているとも伺いました。
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人をもてなすさいには、掃除をする、花を飾る、茶菓を準備するなど、見えない時間を要しますが、それらのことは直接ことばに表現しなくても、その空間に入った瞬間にわかるものです。
準備の時間から一緒にときを過ごすまで、一連に繋がっているもてなしのこころが、和みの空間を生むのでしょう。
仲間のあたたかなもてなしに対する感謝する気持ちを、別の仲間がことばやふるまいで表現して伝えることで、さらに素敵な空気を作り出し、私も幸せなひとときを過ごすことができました。

さて、来週から師走に入ります。
皆様、寒くなってまいりましたのでお身体を大切にお過ごしくださいませ。

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