メモを取るお姿から学ぶ

先週、都内のある場所でビジネスマナーを中心に講義を行う機会をいただきましたが、安全と安心のため、お部屋の後方までお席を設け、間隔をゆったりとあけてくださいました。
講義時間はおよそ90分でしたが、お仕事後のお疲れはどなたからも感じることなく、むしろ積極的に話を聞いてくださり、終始話をしやすい環境で感謝するばかりです。

姿勢についての講義では、目の表情の大切さをお伝えしたのですが、マスクをなさっていても十分に皆様の笑顔が届いてまいりました。
また、メモを取ることに重きがおかれてしまうと、相手の話をひとことも聞き漏らさないようにという意識も働き、かえって話全体を俯瞰して理解することが難しくなる可能性が否定できず、姿勢は前屈みになりがちで望ましくありません。
一方、話をしている人の目を見ながら、時折、手元を確認してメモを取るお姿はなんと美しく素敵であるか、ということを参加なさった方々を拝見して改めて感じました。

本日は夕方からビジネスマナーの講義をいたしますが、参加なさる方々の貴重なお時間が少しでも有意義なものとなりますよう、精一杯努めたいと存じます。IMG_4275

福こばこで除災招福

今週は機を逸しないよう、木曜日の代わりに本日水曜日にブログをアップいたします。

本日6月16日は和菓子の日です。

平安時代、仁明天皇が賀茂社にて禊を行い、年号を嘉祥とし、16種の供物を献じ、疫病退散を祈願した。
嘉定通宝の嘉通が勝に通じ、16文で食べ物を購入して食べた。
武家において、楊弓(ようきゅう:短い弓矢で的を射る)の試合で負けた者が嘉定通宝16文で勝った者をもてなした。
江戸時代には幕府の年中行事として盛大に行われた。

このほかにも、嘉祥に関しては様々ないい伝えがあります。
IMG_4316和菓子
さて写真の和菓子は、6月10日から16日まで販売されている、とらやさんの「福こばこ」。
「なりひさご」は、招福と子孫繁栄の象徴の瓢箪が道明寺と白餡でできています。
「はね鯛」は、めでたいの語呂合わせから鯛のかたちをした紅白の練り切りですが、見ているだけで笑みが溢れます。
「御目出糖」は、そぼろ餡と小豆の粒が加えられた蒸し菓子で、お赤飯に見立てられています。
いずれも素敵な和菓子です。

今日は除災招福を願って和菓子を召し上がってみてはいかがでしょう。

「一筆箋」

仕事で相手の方に書類を送るときには送付状を同封しますが、シンプルな文面だけに、親しい方には手書きで一筆添えたいことがあります。
あるいは、品物や資料などを送るだけでよいときに、ことばをひとことでも記して同封したいものです。

このような状況において、最近は付箋をつける方が多くなっているという話を知人から聞きました。
何もないよりはまだ良いのですが、付箋では相手に失礼な印象を与えかねません。6月14日img
そのようなときに便利なのが一筆箋です。
縦長で便箋と比べて幅が短い分、文章の分量が少なくてすみます。
ただし、略式なものと心得ておきましょう。

過日、ある資料が必要になったので、遠方に住んでいる門下の方に相談のご連絡を差しあげたさい、急を要しているので添え状もなにも付けずに送ってください、とお伝えいたしました。
数日後、お願いした資料が届きましたが、中には真っ白の小さめな和紙に直筆の文字でメッセージが添えられていました。
決して長い文章ではありませんが、丁寧に記されたことばからは、その方のおこころが浮きあがって見えたのです。
恐らく、私の気持ちの負担にならないようにと、あえて通常の便箋よりも小型のものを用いたのではないかと思います。
そのお気遣いが素敵です。

手紙が苦手な方、まずは一筆箋から始めてみてはいかがでしょう。

 

ウキツリボクと尊敬

小笠原伯爵邸の門を入る寸前、小さな赤い花が目に入りました。
魚釣りのウキに似ているので浮釣木(ウキツリボク)、ランプのかたちをしているのでチロリアンランプとも呼ばれています。
熱帯から亜熱帯まで100種類ほどある、アオイ科アプチロン(イチビ)属の植物です。

初夏から晩秋まで、長期に花を咲かせることから「尊敬」の花ことばを持っていimg 6.10ます。
葉がハート形をしているところも愛らしく、栽培しやすいそうです。

尊敬といえば、日本語に欠かすことのできない敬語の尊敬語と謙譲語は8世紀頃から存在しているといわれます。
尊敬語の中に、古くから現在に至るまで使用できる「あそばす」があります。
「あそばす」は「する」の尊敬語。
「お通りあそばせ」「お読みあそばせ」などと用いることのできる素敵なことばです。

私も自宅でウキツリボクを育てたいと思います。

「芒種」

今年の芒種は6月5日、芒種の期間は5日から20日までの15日間です。
芒は「のぎ」とも読み、お米や麦など先端に針状のとがっている部分を持つ植物、種は「たね」ですので、あわせると「芒のある穀物の種を植える時期」ということです。
現在はこれよりも早い時期に種まきは行われています。1494722_s

さて、種と縁起に関する日といえば、一粒万倍日。
一粒の籾が万倍にも実り、吉日と考えられています。
固執しすぎない程度のゆるやかな気持ちで、この日に何か新しいことを始めて楽しんでもよいかもしれません。

芒種の期間、思いやりの種をたくさんまいて、素敵な和を育みたいものです。

このページの先頭へ