酒折宮と南アルプス市

IMG_7589南アルプス市教育委員会・長清公顕彰会からのご依頼で小笠原流礼法講座のご指導に伺いました。
当日は甲府駅を到着後、山梨県で唯一、古事記、日本書紀に記述があり、ご祭神は日本武尊(やまとたけるのみこと)である酒折宮へ門下の方々とおまいりに伺いましたが、かねてからの願いでしたので感慨無量です。
しかも、宮司でいらっしゃる飯田様より、酒折宮や日本武尊に関する様々なお話を拝聴することもできました。

日本書紀によると日本武尊が東夷征伐の帰りに酒折の宮に立ち寄り、
「新治筑波を過ぎて幾夜か寝つる」
と片歌(五・七・七の三句で一首をなし、多くは問答歌として二種そろって完結する)で問うと
「かかなべて夜には九夜日には十を」
と片歌で答えました。
IMG_7604これこそが連歌の起源とされ、多くの学者や文学者が訪れたともいわれています。
こうしたことから、こちらの神社は学業に関するご利益があるとされますが、そのほかに厄払い、出世開運、火防守護、技芸やスポーツ上達を願う人々が訪れるそうです。
また、これらの歌は小笠原流礼法の古文書にも記されています。

礼法講座では、長きに渡り参加くださっている方々、新たに参加くださった方々、皆様が終始和やかな雰囲気で真剣に学んでくださることが嬉しいかぎりでした。
酒折宮へのおまいりで心身を浄化し、南アルプス市の皆様のあたたかなおこころに触れながら礼法をお伝えでき、幸せで素敵な一日でした。
お世話になった方々にこころより感謝いたします。

記されていないこと

小学校で宿泊を伴う校外学習に出かけるにあたり、持ち物のリストが学校から配られたとします。
その中に「洗面用具」とあれば、歯ブラシ、歯磨き粉、洗顔石鹸を準備する。
「筆記用具」とあれば、鉛筆やシャープペンシルと替え芯、ボールペン、消しゴムなどの他に筆記用具ではないですが、特に記されていなくても定規やノートを持参することもあるでしょう。

最近は、洗面用具、筆記用具はそれぞれ何を指すのか、具体的に記されていないとわからないという保護者からの声が少なくないとも聞きます。
しかしながら、自分がこれから向かう場所で何が必要になるのかを考えながら準備する経験は、将来、社会人として先を考えながら行動するという心得に繋がるはずです。

また、こどもは経験値が低いのですから最初はわからなくても当然ですが、周囲のおとなはすぐに手を差し伸べたくなる気持ちを抑え、こどもの行動をあたたかく見守りながら待つ、あるいはヒントを与える程度にとどまるこころがけも大切なのではないでしょうか。

23967697_s昔と比べて現在の社会はわからないことに対して質問しやすい傾向にあるようにも感じています。
年齢を重ねても、まずは自分の力で取り組む姿勢を失わないようにしてまいりたいと思います。

梶の葉

IMG_74697月7日は五節供のひとつである七夕。
この時期、笹や竹の飾りをご覧になることも多いでしょう。
お庭にある笹を切って飾りに使うことができれば好ましいのですが、それが無理ならばお花やさんで入手することもできます。
あるいは、手軽に飾ってみたいと思えば造花を用いてもよいかと思います。

さて、短冊と一緒に吊るしてあるのは色画用紙を梶の葉にかたどったものです。
七夕には基本となる五色があるのですが、お好きな色を用いて作成しても楽しいのではないでしょうか。

なぜ梶の葉を用いるのかというと、梶の木は神聖なものとして考えられ、神様への供物に用いられる「かいしき(食べ物を盛るときに用いられる葉や紙)」でもあったからです。
IMG_7492室町時代はこの梶の葉に願いごとを墨で記していましたが、江戸時代からは短冊に変化していきました。

飾りは、それぞれに意味が込められています。
その意味を知ったうえで、ご自分なりの楽しみ方で生活に彩りを添えてみてはいかがでしょう。

ウィットに富む

母と同世代の門下の方から、次のお話を伺いました。

ある日、電車内で席を譲られた。
感謝の気持ちで腰を下ろしながら、「なぜ自分は席を譲られたのだろうか。背が丸まっていたから、あるいはほうれい線が深くなっているのだろうか」と考えていた。
これからも活き活きと過ごしていきたいので改められることがあれば、との思いがあったゆえである。
しばらくすると、隣の席が空き、席を譲ってくださった方がお座りになった。
そこで、「先ほどはなぜ席を譲ってくださったのですか」と尋ねると、「私は30代なのですが、私よりも少しだけ年齢が上でいらっしゃると思ったからです」と、笑顔で答えてくださり、こころがあたたかくなった。
このように、ウィットに富んだ楽しい会話が大切であることを最近は特に感じている。

New file冷たい表現は相手を傷つけ、相手を褒めているつもりでも行き過ぎるとかえって不快感や違和感を与える可能性があります。
日頃から他者への思いやりを忘れずに過ごしていらっしゃるからこそ、30代の女性の方は意識をすることなく、優しさや楽しさを自然とことばにのせてお伝えになったのでしょう。
乗り物など公共の場で出会う知らない方にも、常に配慮を忘れずにあたたかな思いで素敵なご縁をつくりたいものです。

茅の輪をくぐる

以前のブログにも記しましたが、6月30日は夏越の祓です。

水無月祓(みなづきはらえ)とも呼ばれています。
紙の形代(祓を受ける人の代わりとなる人形)で身体を撫でたものを本来は川に流しますが、形代を神社に納めて祓とすることが多いかと思います。

また心身を清め災厄を祓って無病息災を祈るものとして、茅の輪(茅でつくった縄で大きな輪をつくったもの)くぐりがあります。
くぐり方は、手水舎で手と口を清めてから、以下のように行うことが基本ですが、神社によって、あるいは混雑しているさいはこのかぎりではございません。

①茅の輪の前で一礼
②左足から輪を越えて左に回り茅の輪の前で一礼。
③右足から輪を越えて右に回り茅の輪の前で一礼。
④左足から輪を越えて左に回り茅の輪の前で一礼。
⑤左足から輪を越えて神前に進んで拝礼。

IMG_7424本日おまいりにいらっしゃることができなくても、自宅や仕事場をお掃除し、お香やアロマオイルで空気を清め、お好きな香りのお茶を召し上がり、ゆっくり入浴するなどして心身を浄化させてはいかがでしょう。
暑さが厳しい日が続いていますが、明日からの半年、お健やかにお過ごしください。

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