舞踊の技術とこころ

会食後にあるお店へと移動して席につくと、お店の方から「ご無沙汰しております。5、6年前に来てくださいましたよね」とお声をかけていただきました。
何と素晴らしい記憶力、と感動しているのも束の間、大変興味深い話題ばかりで勉強になるひとときを過ごさせていただきました。

無題ひとしお身にしみたのは、歴代の日本舞踊家の方々に関して話が及んだときです。
そのお店の方は日本舞踊を嗜まれているのですが、次のようなことをおっしゃいました。
日本舞踊そのものの技術はもちろん大切。
その前提に、その人が内面に秘めているこころから醸し出される魅力が欠かせず、それこそが観客の胸に訴えかけるものとなり、感動を与えられるのだと。

何度も記していますが、こころが重要であることは小笠原流礼法も同じです。
煌びやかな装いで出かけたとしても、周囲を察する「こころ」がなければ、豪華なドレスや宝石は単なる「もの」でしかありません。
練習を重ねて教えられた通りの所作ができたとしても、こころが伴っていなければ、周囲の人から見てどこかに不自然さを感じさせてしまうのではないでしょうか。

暑さが厳しいとうっかり他者への配慮を忘れて自己中心になりやすいですが、そのようなときにこそ「かたち」だけが一人歩きしないように、「こころ」を伴わせて行動することを忘れずに過ごしてまいりたいと思います。

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