コンソメスープ

古くからあるお店で、久しぶりにコンソメスープをいただきました。
見た目は決して派手ではないですが、一口飲むごとに美味しさが口中に広がりました。
コンソメスープに限りませんが、派手さはなくても、準備に惜しみなく時間とこころがかけられたものから、人は幸せを感じ取ることができます。

私たちの生活は西洋化され、もので溢れていますが、昔の日本人の生活は和室に掛け軸とせいぜい花が飾られる程度の質素なものでした。
何もかも目に見えることで表現されないからこそ生まれる、無限の美しさや深さが存在します。

コンソメスープさて、コンソメスープにまつわる思い出があります。
弟が小学生の頃、生命に関わるほどの大怪我をして入院したときのことです。
弟の意識が戻ってからすぐ、日頃は台所に立たない父が何時間もかけてコンソメスープをつくって病院へ持参しました。
弟がスープを一口飲んだ瞬間、父と母が嬉しそうな表情をしたことを鮮明に記憶しています。

労を惜しまず、こころを込めることによって、素敵なものや空間が生まれることを礼法を通じて次世代へと伝えていきたいと思います。

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