今の時期に好んでいただくものの一つが鮎です。
川をのぼる鮎の姿を登竜門(立身出世などの関門を通ること)になぞらえて縁起がよいといわれることがあります。

鮎は古事記や日本書紀に「年魚」という表現で記されていますが、その理由は一年で一生が終わるということです。IMG_7303

また、鮎の字は「魚」と「占」で成り立っていますが、神功皇后が釣り針にご飯粒をつけて投げ入れ、鮎を釣ることで占いをしたことによるともいわれています。

さて、鮎は背越し(頭・ひれ・はらわたを取り中骨のあるままぶつ切りにすること)、お刺身、うるか(塩辛)、塩焼き、揚げ物、椀物、ご飯など様々な調理法があります。
なかでも塩焼きと鮎ご飯には目がなく、過日もお世話になっているお店でおいしく頂戴いたしました。

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タンパク質、カルシウム、ビタミンB群や亜鉛などを含むほか、ビタミンEが多い鮎は老化を防ぐ効果もありますので、この夏もたくさんいただいて健康を保ちたいと思います。

自己抑制と自己制御

目的のために我慢をして行動を制御する。
子供の頃にこのような能力が高いと、大人になってから学業、仕事でのスキルが優れているという結果があると心理学ではいわれています。
これを自己制御といい、自己制御によってあるエネルギーが消費されるため、この消費の度合いが高いと次の行動で制御が不十分になるとも考えられています。
つまり、温和に対応していた人が、ある時点から少し攻撃的な行動を取る可能性があるということです。

 小笠原流礼法では、「自己を抑制し他者を慮る」という教えを、先代の頃より「自己抑制」とも表現してお伝えしています。
以前、心理学を学んでいる方が「自己抑制とは我慢することを示していると思っていました」とおっしゃっていたのですが、もしかすると自己制御の「我慢」を「耐え忍ぶ」という意味でとらえていらしたのかもしれません。

 自己抑制とは、自我を押し通そうとする前にまずは相手のこころや場を読み、相手あるいは周囲にどのような影響を与えるのかを予測しながら自身の言動を選択し、こころをかたちに表すことを示します。
それによって穏やかな空気や相手の笑顔をつくるきっかけとなれば、自分も幸せになるということです。

 IMG_7298私たちは日々、あらゆる規範や概念などに己を俯瞰して照らし合わせ、状況に応じた判断のもとに言動を選びながら生活しているわけですから、自我をコントロールする必要があることは当然ともいえましょう。
相手と、さらには自分の幸せのために、自己抑制の大切さをこれからもお伝えしてまいりたいと存じます。

白映

天気予報を確認して「今日は一日中、雨」とわかっていても、実際は思ったよりも小雨。
しかも雲の合間からわずかな光がさして雨が止みそうに感じると嬉しくなるものです。
このように、梅雨の時期に小雨が降りつつ、時折空が明るくなって雨が止みそうになることを白映(しろばえ)と呼びます。

IMG_7300さて、和菓子店が営まれているカフェに時折伺うのですが、過日は「本日のお菓子」の名を白映と伺い、すぐに注文いたしました。
しかも大好きな白味噌がベースの白玉入りぜんざいで、底に敷かれた紫蘇のソースが香り豊かで美味しさが増しました。

和菓子は、見た目だけでなく季節にあわせた素敵な名がつけられているところも魅力のひとつです。
皆様はお好きな和菓子名、おありですか。

ハグ

小学校から14年間同じ学校に通い、中学時代はテニスのダブルスを組み、母同士も友人で、遠戚でもある幼なじみと30年以上ぶりに会うことができました。
きっかけは、共通の学生時代の友人に「最近同級生と連絡取り合っている?」と話をしたさい、幼なじみの名前が出たので思わず「久しぶりに会いたい」と私がいったことです。
友人はいつも迅速に楽しい企画をしてくれるのですが、このたびもすぐに「3人でランチをしましょう」ということになり、再会の日を迎えました。

少し早めにレストランへ到着して席に座っていると、背後から誰かが歩いてくる気配がし、振り返ると幼なじみの姿がありました。
私が立ち上がるとすぐに友人は私にハグをし、「会いたいといってくれて嬉しかった」と伝えてくれたのです。
それからは、小学校からの長きに渡る学生時代の様々な思い出を語り合い、別れ際は「今度はディナーを一緒に」と約束しながらハグをして、レストランをあとにしました。
何十年ぶりに会ってもその年月を感じることは全くなく、帰宅後は母にも嬉しい報告ができました。

さてコロナ禍において、現在も気軽にハグができる状況ではないのですが、このたびの友人との再会で、ハグがもたらす幸福感のようなものを感じました。
IMG_7269友人とのハグは、嬉しいとき、あるいは悲しいときもハグをすることで感情の共有をすることができるそうです。
また、ハグはドーパミンやセロトニンを活性化する効果があることより、幸せを感じたり、気分を安定、安心させるともいわれています。

 幸福感が深まる素敵な再会に感謝するばかりです。
人と人とのご縁がもたらす、うるわしい時間をこれからも大切にしてまいりたいと存じます。

頭とこころで

昨年に続き、先週、品川女子学院中等部1年生に向けて講演の機会を頂戴いたしました。

特に今年は多くの方が積極的に手を挙げ、時にはジェスチャーを交えながら質問に答えてくださったのです。
その一例として、次のような発言をいただきました。

「お辞儀はなぜするのでしょうか」
「相手の人を尊重するためです」

「本を渡すときに大切なことは何ですか」
「相手に本の正面がくるように(取り回して)渡します」

このように、質問に対するご意見をいただくことが頻繁にあり、何時にも増して活気ある雰囲気の中でお話をすることができました。
講演前には応接室にて主任の先生から、「生徒たちは文化祭に向けて企業様を訪問してお話を伺うにあたって、自分たちでアポイントメントを取り、お礼のお手紙を書くこともあります」と伺ったので企業訪問の心得や手紙の品川女子学院②マナーについてもお伝えいたしました。
特に手紙に関することは興味深く思われたのか、真剣な表情でペンを走らせる姿が印象的でした。

また、「七夕の他の五節供は何がありますか」という質問には、「端午」「桃の節供」というお声に混じって「クリスマス」というおことばが中学1年生らしくて微笑ましく、素直なおこころが届いてまいりました。

約1時間30分の講演時間は瞬く間に過ぎ、最後はご挨拶の練習をして結びとなりました。
会場から移動するさい、参加くださった先生から「一番後ろの席の生徒もお話を聞きながらお辞儀の練習を何度もしていました」と伺い、ますます温かな気持ちで帰路につきました。

頭とこころで考える大切さを改めて教えていただく機会でもありました。
中等部一年生、お世話になった方々、素敵なお時間をありがとう存じます。

 

 

 

 

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