天授

講演でお話をすることはあっても、講演を聞く側になることは多くありません。
しかし過日、現代文講師として、またテレビ番組の司会などでもご活躍の林修氏のご講演を拝聴することができました。

林氏は、過去から現在に至るまで、普遍的に大切にされているお考えがあり、それは昔お読みになった司馬遼太郎の「項羽と劉邦」に記されているとのこと。
劉邦(前漢の初代皇帝)は、韓信(中国秦末から前漢初期にかけての武将)に対して
「私はどのくらいの兵を率いることができると思うか」
と尋ねたところ、韓信は
「せいぜい10万程度でしょう」
と答え、さらに韓信は
「私は多ければ多いほど」
ともいいました。そこで劉邦は、
「ならばなぜ、お前は私に捕らえられたのか」
とさらに尋ねると、韓信は
「陛下は兵に将たる能力はお持ちでないですが、将に将たる能力をお持ちです。
それは天授であり、人力ではありません」
と伝えたということです。

林先生は、この「天授」が重要で、天から授かった自分の得意とする分野に努力をすることをご自身もなさっているそうです。

天授を理解し、天授の分野を深めていく大切さを理解しながら、私自身、ときには遠回りとわかっていても、全くセンスのない分野に突然、挑みたくなることがあります(笑)

話の抑揚、話題の豊富さ、聴衆との距離感など、講師に求められる、あらゆる要素を学ぶことのできた素敵な機会に深く感謝いたします。

林氏講演

辰巳卓郎の葡萄酒浪漫

以前からお世話になっている辰巳琢郎さんが司会をなさっているテレビ番組「辰巳卓郎の葡萄酒浪漫」への出演依頼をいただき、4回分の収録のうち、すでに3回は放映が終わっています。
さらに光栄なことに、未生流笹岡のお家元 笹岡隆甫さんとご一緒の出演、ワインへの興味も深まり、充実した楽しい一日を過ごせたことに感謝しています。

ワイン笹岡さんは京都大学工学部建築学科を卒業された聡明な方で、華道について誰もがわかりやすく、お目にかかるたび、優しい口調でお話をしてくださいます。
皆様もご存じのように辰巳さんも京都大学文学部をご卒業、素晴らしい司会進行で、休憩中もお二人から様々なことを教えていただきました。

笹岡さんは、3歳で家元継承が決まっていらしたとのことですが、お年を重ねた門下の方からお聞きになったお話は、礼法でも指導している
「こころ」を「かたち」に表すこと、そのものでした。
お花は、そのまま捨てるのではない。
お花を紙に包み、感謝の気持ちを忘れないことが大切。

ものが豊かになると、必要がなくなったものへの関心が薄れて粗末に扱いがちです。
しかしお花に限らず、何に対しても最後までこころを傾け、礼を尽くすことは日々の生活のなかで欠かすことはできません。

素敵な機会をいただき、お世話になった皆様にこころより御礼申しあげます。

ガストロノミーとこれからの食文化

立春の2月4日、小笠原流礼法宗家本部新春交賀会を都内のホテルにおいて行いました。
本年も多数の門下の方々に出席いただきましたこと、心底より感謝申しあげます。

辻様さて、今年は学校法人辻料理学館 辻調理師専門学校 理事長・校長でいらっしゃる辻芳樹様をゲストにお迎えいたしました。

「ガストロノミー(美食学/美食術)とこれからの食文化」をテーマに、日本料理が世界に与えた影響などについて、ご講話を頂戴いたしました。

英語という共通語を得てフランス料理は世界中へ広がり、さらには料理技術が極められて以降、自然の美しさ、自然に対する畏敬の念までも一枚のお皿に表現されるようになったという歴史の流れは興味深くもあり、多くのことを教えていただきました。

18交賀会現代のフランス料理は決して目新しい思いつきで作られているのではない。
基本的知識や技術を習得してこそ成せる、新たなフランス料理の世界。

真の伝統主義者こそが歴史を切り開ける、というおことばは、ご講話のなかで特にこころに響きました。

和食は、日本の地形の特異性と古来より受け継がれた伝統文化によって、独自の世界を築き上げてきましたが、ガストロノミーと礼法との共通点も感じました。

辻様、素敵なご講話をありがとう存じます。

洋食のマナーを通じて

今週初め、聖徳大学附属取手聖徳女子中学校・高等学校後援会礼法部の方々へ向けて、洋食マナーに関する講習会を都内のフレンチレストランで行いました。

聖徳お食事会日頃、礼法の指導をしてくださっている師範の先生によると、今年でこの食事会は30回目とのこと。
何人かの方から「高校を卒業した後でも、立ち居振る舞いが素敵だと周囲の方が褒めてくださるので、娘が聖徳で学んでよかったと申しております」と伺いました。

ほとんどのお母様方はお仕事を持っていらっしゃるため、部活動の日はお仕事を休んで参加されているそうです。

子育てや家事、お仕事をなさる皆様から、お食事をご一緒しながら礼法を通じて日々感じられる感想なども伺うことができ、大変勉強になりました。
参加くださった礼法部の皆様の暖かなお気持ちに深く感謝いたします。

AYF

AYFとは、淡路ユースフェデレーションの略。
多くの応募者の中から選ばれた世界19カ国、28名が淡路島において地方創生、起業、文化創造などをテーマに学びながら働いていらっしゃいます。

講義の途中でホワイトボードを使用したいとお願いしたさいのこと。
リーダー格のひとりの男性は、全てのホワイトボード用のペンのインクが出るかどうか、講義の合間の5分休憩を使って確認してくださいました。
このようなこころ遣いは、誰もが持っているとはいえません。

IMG_1990昼食後、お昼休みには受講者のうち3人の方々がお茶室に案内してくださいました。
当初、お茶室内はかなり汚れていたそうですが、彼らは自由時間を用いて室内の掃除やお庭の手入れをするなど、少しずつ整えていらっしゃるそうです。

講義後、皆様と写真撮影。
その後は、玄関にて素敵なお辞儀と笑顔で見送ってくださいました。
次回の講義が今から楽しみです。

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