明るく清々しい連休

201907127-min先週末より講演の機会が続きました。まず12日は、品川女子学院中等部1年生を対象に1時間30分ほど実技を交えてお伝えいたしました。
理事長の漆先生は尊敬する友人のおひとりですが、常に向上心をお持ちの素晴らしいお人柄の方です。
講演前に漆先生から、生徒の皆様は文化祭に向けてあらゆる企業や団体に足を運び、社会で活躍される方々の協力によって起業について学ばれたことを発表なさると伺いました。
それにより将来の展望を持ち、その夢に向かって進路を自分で決める方が多いそうですが、なんと素晴らしいことでしょう。
実際、中学1年生とは思えないほど、皆様の表情が活き活きとした印象で、積極的に参加くださいました。

IMG_603913日は、聖徳学園附属女子中学校・高等学校後援会礼法部へのご指導で、松戸市にある学校へ伺いました。
礼法室では和室での基本的な動作とお茶の出し方などについてご指導した後、会議室に場所を移して鶴の祝い包みを作成いたしました。
2時間ほどのご指導でしたが、皆様が真剣に取り組んでくださったので、格段に所作が美しくなったのではないかと思います。
IMG_6028また毎年、部員のおひとりが礼法室と会議室に活けてくださっている花々のおかげで室内の雰囲気が和らぎます。

同日の夜は友人のお誕生日を祝う会が友人宅で行われ、日頃からお世話になっている方々がお集まりになりました。
IMG_6055恐らく30名ほどの方がいらしたのではないかと思いますが、お料理は何と日本伝統芸能に関わる方がおひとりでイタリアンを作ってくださり感動いたしました。

14日は、都内において東京都観光ボランティアの方々に対する研修があり、前半は私、後半は師範から主にもてなしに関する心得をお伝えいたしました。
昨年も同様のご依頼を頂戴したのですが、今年も何名か同じ方が出席くださったそうで、当日は朝から雨だったのにもかかわらず多くの方が参加されました。
ボランティア活動をなさるさいには、相手の気持ちを察し、行き過ぎることなく、日本文化の根底にある「こころ」を伝えていただきたいという思いでお話を進めましたが、人生の先輩である皆様が真摯な態度で聞いてくださったことが何よりも光栄でございました。

梅雨を忘れてしまうほど、明るく清々しい連休でした。
お世話になった方々、話を聞いてくださった方々、素敵な時間をありがとう存じます。

深いご縁を感じて

昨年のパリ出張の折、オランジェリー美術館に関することをブログでご紹介いたしました。

そしてこのたび、6月26日の企業研修でお世話になった方に、クロード・モネが晩年まで住んでいた邸宅とお庭の見学をするため、ノルマンディー地方のジベルニーへ連れて行っていただきました。
IMG_5809祖母や父がモネの睡蓮が大好きだったこともあり、幼少の頃からジベルニーは憧れの地でしたので、車の中から田園風景が目に入る辺りから気持ちが高揚し始めました。

6月は睡蓮の花だけでなく、ゼラニウムや色とりどりのバラなど数多くの花々が咲き誇っていて、ため息が出るほど美しかったです。
ル・ポン・ジャポネ(日本の橋)と呼ばれる太鼓橋から見る池の風景は、ひとことで表現できないほど豊かで壮観なものでした。

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モネは浮世絵のコレクターでその数231といわれ、邸宅内に飾られていましたが、キッチンやダイニングなどのインテリアはこれらの浮世絵の色使いに合わせてデザインされたそうです。

パリから車で1時間ほどの距離に、日本文化を感じることのできる場所があることを実感できた喜びの後は、前方にお庭が広がる静かなレストランで昼食を頂戴いたしました。

IMG_5829最後のデザートがなんとも可愛らしく、クッキーのかたちと同様に思わず笑顔になりました。

最終日、シャルル・ド・ゴール空港において航空会社のカウンターで搭乗手続きをしているさい、背後から私の名を呼ぶお声が聞こえました。
何とパリでお世話になった方がお知り合いのお見送りで空港にいらしたということでした。しかも、そのお知り合いの方は私も日本でお会いしたことがあり、さらに機内ではお隣のお席でした。
深いご縁を感じ、帰国後すぐにお食事をご一緒したのですが、そのさい「日本人のお先にどうぞの精神は同僚から信頼を得るきっかけとなった」という興味深いお話を拝聴いたしました。
昨今は日本人同士であっても、相手に譲ることが減っているように感じますが、それは大変残念でなりません。

IMG_5802このたびの出張は、自国の文化を見つめ直し、何よりも素敵な国に生まれ育ったことを誇りに思う機会でもありました。
お世話になったすべての方に心底より感謝申しあげます。

七夕

昨日は七夕。
IMG_5981そこで昨年の夏越しの祓いに続き、七夕も海や川で穢れを祓う風習があることから、直門の門下の方々と人形代流しをいたしました。
都内某所にて集合し、幹事役の方があらかじめ人形に切って用意くださった紙に氏名と生年月日を記し、身体を撫で、息を吹きかけて準備完了。

外に出ると前方に隅田川があり、雨も小降りで涼しく、心地よい気温でした。
川のそばまで行き、少し力を入れて形代を川に投じたところ、風の抵抗で戻ってきてしまいました。
IMG_5979そこで力を抜いて風に逆らわず、ゆったりと投ずると、フワフワと風に乗って川面に浮かび、静かに流れていきました。
何ごとも、無駄な力を入れずに自然に委ねる気持ちが大切ということを実感いたしました。

IMG_5982その後、少し歩いたフレンチレストランにて昼食。
事前に幹事の方々が試食までしてくださっただけあり、スープ、メインのお料理、さらに七夕をテーマに作ってくださったデザートまで全て美味しく頂戴いたしました。

入門された年が異なる門下の方々の絆が深まる機会、なんと素敵なことでしょう。
皆様とのひとときに感謝申しあげます。

パリで礼法をお伝えして

九州を中心に豪雨の被害にあわれている方々にこころよりお見舞い申しあげますとともに、皆様の安全をお祈りいたします。

0707さて、昨年の講演に続いてフランスの方々に小笠原流礼法のワークショップをなさいませんか。
このような光栄なお話を在フランス日本大使館よりいただき、笹川財団からのお力添えもあり、先月下旬よりパリに行ってまいりました。

在フランス日本大使館の文化事業の一環として、日本文化会館にて2部制で礼法のワークショップを共催する運びとなりましたが、当日は30度を超える暑さの中、皆様が参加くださいました。
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若い女性から年配の男性まで幅広い年齢層で、笑いや驚きもあり、終始笑顔が絶えませんでした。
また門下の方々が和服でお茶を入れる姿は参加者の興味を引きました。
門下生と関係者を含めて、最後までお手伝いくださったおかげで、私1人では不可能だった細やかなご指導ができました。

DSC00760日本から持参した山田屋まんじゅう製のお菓子も大好評。
懐紙を折ってかいしきをつくり、その上におまんじゅうを置いてから召し上がっていただいたのですが、皆様大喜びのご様子でした。

質疑応答では、「玄関で見送られる際に背中を向けざるを得ないがどうしたらよいのか」、「七夕の短冊は五色それぞれの色を期間ごとに順番に飾るのか」、「お茶を入れるさいに用いる湯冷ましはどのような入れ物で代用できるのか」など、積極的な質問が多く出ました。

翌日はある日本企業のお力添えでフランスの企業にて講義をいたしました。
役員の方、若い方からも質問を頂戴し、皆様が熱心に話を聞いてくださいました。
何よりも嬉しかったのは、「書類を取り回してから両手で丁寧に渡す所作は今まで見たことがありません」と、講義後すぐに参加者が仕事の場で実践してくださったことを、その夜の会食の席にて社員の方が教えてくださったことです。

DSCN4824さらにその翌日は、日本人学校にて中学生を対象に講演をいたしました。
体育館に全員が背筋を伸ばして座り、迎えてくださいました。
当日の気温は34度。
冷房がない中で、生徒の方々は頬を真っ赤にしながら、誰一人としてだらしのない姿勢にならず、こころを傾けて話を聞いてくださったのです。
男女問わず、素直な笑顔がとにかく可愛らしくて、暑さを忘れるほど幸せなひとときでした。
最後の生徒代表のご挨拶も素晴らしく、生涯の思い出となりました。

IMG_5700パリでいただいた数々の素敵な時間は、1回で書き記すことができません。
是非来週のブログでもご紹介したいと存じます。

食前食後の作法

IMG_5622門下の方より天岩戸神社のお箸とお守りを頂戴いたしました。長寿開運 御箸と表書きのある包みを開けてみると、内包みには和歌が記されていました。
「たなつもの 百の木草も あまてらす 日の大神の めぐみえてこそ」
たなつものとは田から収穫される穀物。
穀物や草木の育みというのは、天照大御神からのお恵みによるものということです。
神社では、食前に道彦(先導役の方)の「静座 一拝一拍手」ということばにより全員で一拝一拍手。
さらに道彦の「たなつもの」とことばを発する合図によって全員、この和歌を唱えてから「いただきます」と述べて食事に入るそうです。
静座とは、こころを落ち着かせて静かにすわることです。

IMG_5626次に食後の作法について。
「朝よひに 物くふごとに 豊受の 神の恵みを 思へ世の人」
朝夕の食事の際には、豊受大御神からのお恵みに感謝する、ということです。
食後は道彦の「端座 一拝一拍手」のことばにより全員で一拝一拍手。さらに道彦の「朝よいに」とことばを発する合図によって全員、この和歌を唱えてから「ごちそうさまでした」と述べて席を立つそうです。端座とは、姿勢を正して座ることです。

食前と食後、どちらも江戸時代中期から後期の国学者である元居宣長(もとおりのりなが)が詠んだものです。
食材さらには自然への感謝、朝夕の食事ができる感謝。
感謝の念こそ、日常を豊かに暮らすことに欠かせません。
そのことからすると、現代よりも昔のほうがはるかに人々の日常が豊かであったといえるのかもしれません。
日々、食事の前後で感謝のこころを育んではいかがでしょう。
きっと、今まで以上に豊かな気持ちを育めるのではないかと思います。

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