指をさす

新幹線の清掃作業員の方々、何と7分以内で一車両内の清掃を完了されるそうです。
実際に新幹線乗車前にはホームから、窓ガラスの向こうで素早く清掃をなさっている姿を拝見します。
清掃前、棚に忘れ物がないかを指をさして確認されるほか、清掃が終了して新幹線を降りる前にも指を左右にさすのは安全確認のためと伺ったことがあります。

ゆびさしこのように確認のために物や方向を指さすのはよいのですが、人を指でさすことは好ましくありません。
心理的に、無意識ながらも人に向かって指をさすことは、相手を威嚇する、相手を受け入れていない、挑発する、自己を通す、などといわれます。
ワンアップポジションとも呼ばれ、自分の立場を相手よりも高めることを意味するととらえられる危険性があります。
海外においても、人を指でさすことは失礼にあたるとする国も少なくないと心得ましょう。

以前と比べて、会話中、人に向かって指をさすことに抵抗がない方が増えているように思いますが、無意識のうちに他者に不快感を与えないようにこころがけたいものです。

食べ残し

席と席との間隔が近すぎず、適度に人々の声が聞こえるカフェ。
そのような空間において、原稿を書いたり、本を読んだりして時間を過ごすことが最近のお気に入りです。

以前からカフェには足を運んでいますが、最近、気になることが食べ残し。
使用したカップやお皿を指定の場所まで戻すさい、食べ残しや飲み残しを捨てず、しかも食べくずがトレーのうえを汚しているままでお店を後にする人が増えているように思います。

コーヒーところで、食べ残しといえば、私が通っていた小学校では、給食は残さず食べることが決まりでした。
当時、ホワイトシチューに入っていたお肉の脂身がなかなか喉を通らず、お昼休みが終わって午後の5時間目が始まっても食べ続けていたことが一度あったように記憶しています。
考えてみると、出されたものを残さず食べることは、単に好き嫌いをなくすためだけでなく、食材、調理をしてくださった方への感謝のこころの表れであることを教えられたように思います。
ただし、体調やアレルギーなどの理由で残さざるを得ない状況もあります。
そのようなとき、お皿の隅に残すものを寄せ、できるだけ同席者に不快感を与えないようにこころがけるものです。
カジュアルなお店であっても、その心得は同様。

格式のあるレストランだけでなく、セルフサービスのお店においても、他のお客様がここちよく過ごすことができる最低限のこころ遣いを忘れないでいただきたいと思います。

お辞儀と手

教室、研修、講義などにおいて、お辞儀のご指導をする機会が多くあります。
お辞儀は、ことばを用いることなく、相手に対する気持ちを伝えることができる。
それだけに、頭の先から指の先まで、こころを通わせることが望ましいのです。

お辞儀と手小笠原流では、自然な動きも大切にします。
たとえば、手の動き。
姿勢を整えるさい、両手は身体の脇に自然におろします。
正しい姿勢をもとに、上体を前傾させてお辞儀を行いますが、このとき、お辞儀は深くなればなるほど、両脇にある手は身体にそって膝に近づいていきます。
したがって、両手が脇にあるまま、あるいは手を重ねてお辞儀をすることには無理があるのですが、昨今はこのようなお辞儀をする方が増えているように思います。

美しいお辞儀は、人のこころを動かすことができる。
小学生の頃だったか、知り合いの女性が美しいお辞儀をなさる姿を拝見し、感動した記憶があります。

夏休みで帰省されている方もいらっしゃるかと思いますが、近しい方と挨拶を交わす際にも、自然で美しいお辞儀をこころがけていただきたいと思います。

盛岡でのお稽古

今週初めは東北地方にお住まいの門下の方々へのご指導に盛岡へ伺いました。

集合写真この時期、東北はお祭りが多く、夏休みということもあってか、新幹線は往復全席満
席!
盛岡駅に到着し、改札口へと向かうエスカレーターに乗ると、出迎えにきてくださっ
た総師範の方の姿が目に飛び込み、再会の喜びで思わず手を振ってしまいました。

盛岡駅から徒歩圏内にある会場では、冷たい飲み物とお菓子を頂戴してからお稽古に入りました。
このときに用意くださったお菓子は黄精飴(おうせいあめ)。
黄精飴は、漢方薬の黄精というナルコユリやユリ科のアマドコロの地下茎を煎じたものに、お砂糖、飴、餅粉をまぜてつくったもの。
飴黄精は、不老長寿の薬草で、胃腸や心肺の働きを高め、滋養強壮の効果があるそうで、夏バテ防止にとのおこころ遣いから用意してくださったことが感じられました。
事前に漢方が入ったお菓子と伺ったので、苦味があるのではないかと想像しながら一口いただくと、爽やかな野草の香りと甘みが口の中にひろがりました。

今回は、折形を中心に、動作の基本も復習いたしましたが、全員の熱心に聞いてくださる真摯なお姿からも、皆様の礼法へのお気持ちが伝わってまいりました。

お稽古後は、山形から取り寄せてくださった梅のお菓子をいただきながら、次回は紅葉の頃に盛岡へ伺うことが決まりました。
会場の手配、教材の準備、茶菓の用意など、お世話になった皆様にこころより感謝いたします。

立秋を過ぎても厳しい暑さが続きますが、読者の皆様におかれましては、くれぐれも
お身体大切にお過ごしくださいませ。

小笠原伯爵邸でのひととき

聖徳大学附属女子高等学校の礼法部およびインターアクト部の合同の都内史跡をめぐる会の一環として、夏休みの間に小笠原伯爵邸へいらっしゃると伺い、万難を排して少しの時間、皆様とお目にかかりました。

小笠原伯爵邸へ到着すると、引率の先生と生徒の皆様は各自、お庭を見学なさっていました。
しばらくレストラン入り口付近で待っていると、元気な声で「おはようございます」「よろしくお願いいたします」と挨拶をして館内へ入っていらっしゃいました。
日頃、学校の校舎内でのみお会いしているので、私服姿はかわいらしく新鮮であり、校外でも礼法の授業で学んでいるお辞儀や挨拶を実践してくださっていることを大変嬉しく思いました。

集合写真その後、お庭で集合写真を撮影したのですが、皆様の優しい笑顔にも触れ、幸福感に満たされるひとときでした。

来年も校外でお目にかかることができればとお伝えし、一足先にその場を失礼いたしました。
聖徳学園の生徒の皆様が夏休みの間も礼法のこころとかたちをあらゆる場面で実践してくださることを願っております。

このページの先頭へ